俳優・菅生新樹は「思考」をどう整理する? 思考の整理家・鈴木進介が解説する「行動」することの大切さ

俳優・菅生新樹×思考の整理家・鈴木進介

■思考を整理するテクニック

――思考を整理するためには、どうすればいいのでしょうか。

週1回の振り返りとして、ポジティブなことだけをノートに書いていると話す鈴木氏

鈴木:私は、週1回振り返りの活動をします。考えていることをノートに書き出すのです。できなかったことや反省点を書くのではなく、達成できたことだけを書くようにしています。できたことだけ書いていけば、自分は頑張っているんだ、凄いんだなと思えるようになる。そうすることで、自信につながり、ネガティブな気持ちがポジティブに切り替わるんです。

菅生:僕の場合は、担当マネージャーさんに話します。マネージャーさんは、僕がまだ何もない状態のときから、俳優として魅力的だと言ってくれたことで、感謝と謙虚さの気持ちが生まれました。でも反面では「自分はできる」「自分ならできる」と思えるようにもなり、新しい仕事に果敢に挑めています。

――菅生さんはマネージャーさんと強い信頼関係があるのですね。

菅生:僕の思考の整理は、マネージャーさんがいないとできないんですよ。具体的にどうしているかというと、思ったことをどんどんマネージャーさんに話しています。例えば、映画を観た時、今度演じる役についてなどなど、些細なことでも話すようにしています。どんなことでも僕の考えを伝えれば、それを受け入れてくれるんですね。そして、僕に合った仕事に繋げてくださっているんです。

鈴木:私はノートに書くことで思考の整理をしていますが、菅生さんは話をしながら物事を整理し、気づきを得ていくスタイルなのですね。話すことで大切な価値観や信念、そして心の中にある思いが明確になるのでしょう。会話を通じて様々なことに気づけるのは、とても高次元な整理だと思います。

菅生:普段から本当に些細なことでもマネージャーさんと話しているので、僕の気持ちをもっとも理解してくれる存在なんです。もちろん、ダメなときは叱責するし、いいときは褒めてくれるし、鼓舞もしてくれる。どの業界でも同じだと思いますが、仕事のパートナーと相性が合うかどうかはとても大事だと思います。

鈴木:菅生さんの場合、身近な人に向けて話すことが、考えの発信の第一歩になっていて、とてもいいスパイラルが生まれていると思います。私は、物事を「すぐやる」ためには、すぐ伝えることが大事だと思っていますが、まさにそれを実践なさっています。関係が近すぎる相手だとかえって本音を話すのが難しいこともあるのですが、菅生さんは程よいバランスを保っておられますね。

■行動することの大切さ

考えるだけではなく行動することが大事だということをマネージャーさんから教わったという

菅生:自分の思いを話さなければ何も始まらないことをマネージャーさんは教えてくれました。それは、お芝居でも、先輩との関係においても同様です。思いっきりぶつかって、もしミスをしたら、しっかり謝ることが大事だとも教わりました。考えることは重要なことと理解しつつも、それ以上に話したり行動することが大事だと意識しています。

鈴木:いつまでも悶々と考えているだけでは、何も進まないですよね。身近な人との会話や思いを伝える“壁打ち”は、思考の整理につながります。自分の心にあることを愚直に話すことは、とても大切なことです。

菅生:思っていることを話すことは、自分の考えを整理するためにやはり大事ですね。考えていることがあるなら、「まずは誰かに話をしてみる」を今後も実行していこうと思います。

行動をしないと何も始まらない。思考を整理してすぐに行動に移すことの重要さについて、お互いに共鳴しながら話が進む対談になっていた

鈴木:私のように頭の中にあるものを書き出し、自分の言葉を書いたノートを見ながら思考を整理するにしろ、菅生さんのように誰かに話してみて会話の中で思考が整理されるにしろ、“壁打ち”をすることは次の行動につなげる上でとっても重要なことなのです。

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