俳優・菅生新樹は「思考」をどう整理する? 思考の整理家・鈴木進介が解説する「行動」することの大切さ

俳優・菅生新樹×思考の整理家・鈴木進介

 2022年から俳優活動を本格的にスタートさせ、NHK連続テレビ小説「おむすび」にも出演した人気俳優の菅生新樹氏。活躍の場を広げつつある菅生氏が全面的に信頼を寄せているのが、現在のマネージャーである。

■人気俳優・菅生新樹の思考術を鈴木進介が解説

 俳優という職業柄、仕事とプライベートをなかなか分けることができず、さらに芸能界で自分の存在感をいかに発揮していくことができるのか、さまざまに考えすぎてしまい苦悩していたことがあるという。そんな菅生氏にとって、マネージャーとの対話は思考を整理し自分を再確認する上で欠かせないそうだ。

 人や企業の思考を整理し、持っている可能性を最大限に引き出すというビジョンのもと人材育成を手掛け、著書も多数ある鈴木進介氏とともに、思考を整理することの大切さをお互いに語っていただいた。

■集中できなくなったときにすべきこと

俳優を始めてから仕事とそうでない時間の使い方が一緒になったと話す菅生氏

――菅生さんは幼いころから考えすぎてしまうタイプだそうですね。俳優という仕事とプライベートでは、考え方に違いはあるのでしょうか。

菅生:俳優を始めてから、何もかも仕事と結びつけて考えるようになりました。日常で目にするどんなものでも、演技の役に立たないかなと思ってしまいます。ニュースを見たら、なんで世の中はこんな暗い話ばかりなんだろう、亡くなった報道が多いのはなんでだろう、などと思ってしまいます。俳優になる前からやっていたことですが、今では癖になっていて、人々の心情を演技に活かせないかなと考えてしまう。仕事とそうでない時間の使い方が一緒になってしまいました。

 僕の場合は家族も芸能界に関わっているため、家でも仕事の話になってしまいがちです。そんな時に始めたのがゲームでした。ゲームをしているときは勝ちたいという欲求だけで頭がいっぱいになって、現実から離れることができます。俳優に、ゲームをやっている人が多いのはそのせいかもしれませんね。

鈴木:俳優だけでなく、ビジネスパーソンも同じかもしれません。仕事ができるビジネスパーソンも、買い物に行ったり、テーマパークに行ったりしても、なんでもビジネスのネタになるのではと考えてしまう人が多いのです。ただ、仕事とプライベートを無理に切り分けようとすると、かえって情報が入りすぎて頭が混乱してしまったり、仕事に集中できなくなるケースが少なくありません。なので何も考えない時間をつくることも大切なんです。

 物事に取り組むにあたって、思考を整理することはとても大事です。菅生さんは今後ますます俳優として活躍されると思います。混乱して目の前の重要な仕事に集中できなくなった場合は、今重要なことと、将来的に重要だけど今やる必要がないことのように線引きして考えを整理することも大切です。

■大切な思考習慣とは

菅生:僕の性格的にできないと諦めるのは避けたいこと。とはいえ、線を引かないと何も始まらないこともあると思いますから。そのうえで今の僕に求められていることに精一杯取り組むことが大事なのかな、と思いました。

 僕は、デビューからまる3年を迎えました。そのなかでいろいろ挫折したこともありますが、楽しい仕事もたくさんさせていただきました。これまで、一つひとつの仕事に対して真摯に向き合いながら、やがて大きい仕事をやりたいと思い、全力でスピード感を持って取り組んできました。

 作品を重ねるごとに自分に求められていることを徐々に理解できるようになっています。与えていただいた仕事を丁寧にやっていけば、評価や実績に繋がっていくと実感できていますし、何より、今やっていることは凄いことなのだと自信が持てるようになってきました。

鈴木:今の自分を受け入れ、今に集中することが大切な思考習慣です。そして、目の前の課題に全力で向き合うことにも意義がありますね。将来のことばかり考えると、かえって動き出せず、やがてモチベーションが下がってしまいます。また、他者は他者という考えも大切です。俳優さんでも、それぞれ仕事に対する考え方や、目的も違うわけですからね。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる