王谷晶『ババヤガの夜』がアメリカ〈ラムダ文学賞〉最終候補に 前人未到のW受賞に期待高まる

『ババヤガの夜』がラムダ文学賞最終候補に

 王谷晶著『ババヤガの夜』(河出書房新社)の英訳版 The Night of Baba Yaga(訳:サム・ベット/Soho Crime)が、7月30日に第37回ラムダ文学賞(Lambda Literary Awards)〈LGBTQ+ミステリー部門〉の最終候補作に選出された。

 ラムダ文学賞は1989年に創設されたアメリカのLGBTQ文学賞。スーザン・ソンタグ、パティ・スミス、ジャネット・ウィンターソンらも名を連ねてきた、米国文学界における多様性と表現を象徴する賞である。LGBTQ+ミステリー部門での日本人作家のノミネートは史上初となる。

 受賞作の発表は、10月4日(アメリカ・ニューヨーク時間)にオンラインにて予定。ラムダ文学協会の新エグゼクティブ・ディレクター、J・クラップは、候補作へのコメントとして「今年のショートリストは、法律や偽情報によってLGBTQ+の物語が攻撃されているこの時代において、私たちの声と、それを乗り越えてきた力強さを映し出しています。」と、公式サイト上で表明した。

■王谷晶『ババヤガの夜』作品紹介
喧嘩しか取り柄のない新道依子は、ある日、関東有数の暴力団の屋敷に連れてこられ、組長の一人娘である短大生の送り迎えと護衛を命じられる。気の合わないふたりの奇妙な同居生活のなかで、依子はこの家に隠された、ある秘密に触れていく。
物語終盤で明かされる大胆不敵な大仕掛け。繊細かつ哀切に描かれる、女と女の名前のつけられない関係――
一気読みの直後、二度読み必至。ラストで明かされる衝撃の仕掛けとは?
圧巻のシスター・バイオレンス・アクション!

■書誌情報
『ババヤガの夜』(河出文庫)
著者:王谷晶
価格:748円(税込)
発売日:2023年5月9日
出版社:河出書房新社

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