「超スポ根じゃん!」TVアニメ放送で話題の『ウマ娘 シンデレラグレイ』熱血展開すぎる原作漫画の魅力

『ウマ娘 シンデレラグレイ』原作の魅力

  4月よりTVアニメの放送が始まり、大きな話題を呼んでいる『ウマ娘 シンデレラグレイ』(以下『シングレ』)。タイトルに『ウマ娘』と冠しているため、“ファン向け”のアニメ化に見えるかもしれないが、実際には万人の魂を震わせるポテンシャルを秘めているものと思われる。というのも同アニメの原作となっているのは、超が付くほどの熱血展開を連発するスポ根マンガだからだ。

 『シングレ』は、Cygamesのメディアミックスプロジェクト『ウマ娘 プリティーダービー』から生まれた作品。有名競走馬の名前と魂を受け継いだ“ウマ娘”たちがレースを繰り広げる、という基本的な設定は他作品と共通している。

  とはいえ、ここではひとまずそうした背景情報は脇に置いておこう。予備知識の類が一切なくても、『シングレ』の面白さは十分に理解できる。

  物語の主人公・オグリキャップは大食いで、普段は天然めいた雰囲気を漂わせている少女。しかし実はレースにかけてはとんでもない才能の持ち主で、後に“怪物”と呼ばれるほどの存在になることが示唆されている。

  そんな彼女が「カサマツトレセン学園」というウマ娘のためのトレーニングセンター学校に入学したことから、物語は動き出す。この学園は岐阜に位置しており、ほとんどの生徒たちはローカルシリーズ、すなわち「地方」のレースで活躍することを目指している。「中央」と呼ばれるトゥインクル・シリーズとは環境に大きな差があるようで、講師の口から「レベルが違う」という言葉が出てくるほどだ。

  地元のレース場もあまり盛り上がっていないらしく、観客は少なく、どこか場末感が漂う環境だ。トレーナーの北原穣はそんな現状に強い失望を覚えており、心の底から応援したくなるような“スター”が地方に誕生することを願っていた。

  そこで「カサマツトレセン学園」の新入生を見物しにやってきた際、オグリキャップの並々ならぬ才能を見せ付けられることに。将来スターになる逸材だと確信した彼は、「俺と一緒に天下を取らないか!?」とスカウトを行うのだった。

  当初はただの変わり者として侮られていた少女が才能を開花させ、地方から中央へと成りあがっていく過程は、まさに王道と呼ぶべきストーリーで、たまらないワクワク感がある。

  また、登場人物のほとんどが闘争心剝き出しで、貪欲な態度で勝利にこだわっていることも同作の大きな特徴だ。自身の全存在を賭けて速さを追い求めるからこそ、彼女たちが激突するレース本番は、尋常ではない“熱”が渦巻くことになる。

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