映画を余すことなく楽しめる『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』関連書籍が必読のワケ

主要キャラ以外も深掘りできるビジュアルブック
対して公式ビジュアルブックは、シーンの一つひとつにこめられた意味や、登場するキャラクター全員の背景をふくめて、作品を徹底解説している。引用されるビジュアルカットは、劇場版のものに限らず、土井先生がいかに練り物が嫌いかを表現する場面にはついつい笑ってしまうし、多くのファンの心に刻まれている山田一家とのかかわりを示すエピソードのおさらないなど、劇場版と一緒にもう一度観たいシーンもさまざまにおさめられている。
TVシリーズにはあまり詳しくなく、劇場版で久しぶりに忍たまに触れて「そんな、多種多様な人間関係が⁉」と心をつかまれた人たちも、ぜひ本書を手にとってみてほしい。乱きりしんをはじめとする1年は組の生徒だけでなく、すでに戦力として頭数に加えられている6年生と、その背中を追う5年生のプロフィールは必見。
高山みなみ(乱太郎)×田中真弓(きり丸)×一龍斎貞友(しんべヱ)×関俊彦(土井先生)の豪華対談や、キャストからのメッセージなど、作品やキャラクターに対する想いを語るテキストも多く、読み応え十分の本書。特に味わってほしいのが、脚本家の阪口和久と原作者・尼子騒兵衛のソロインタビューをはじめとする、制作側の抱く想い。
TVシリーズの『忍たま乱太郎』は基本的にほのぼの、笑えるエピソードばかりで、今回の劇場版がひときわシリアスに描かれているようにもみえるが、乱太郎たちが忍術学園で修行に励むのは、厳しい戦国の時代を生き抜くため。そんな彼らが日々、怒ったり笑ったり泣いたりしながら、手をとりあい絆を深めていく姿がいかに尊いものなのか、TVシリーズをふくめて本作の魅力を改めて感じ入ることのできる構成になっている。『忍たま乱太郎』の世界をより深く理解し、愛するためには必読の一冊だ。























