漫画『花ざかりの君たちへ』は“青春の象徴”だった アニメ化を機に原作&ドラマ版の違いをおさらい
『花ざかりの君たちへ』原作とドラマで異なる解釈
『花ざかりの君たちへ』は、これまで様々なメディアで映像化されてきたが、作品の解釈は版によって少しずつ異なる。日本のドラマ版のアレンジで個人的に印象的だったのは、原作では27歳だった保健室の梅田先生の年齢が、2007年版ドラマでは37歳に変更されていたことだ。こうした細かな設定の違いは他のキャラクターにも見られるほか、学校行事ではマラソン大会が追加されるなど、ドラマならではの演出も施されている。
キャラクターの個性も、メディアごとに微妙な違いが見られる。主人公の瑞稀は、原作ではナチュラルな可愛らしさが感じられるのに対し、ドラマでは男子寮での生活を乗り切るため、より男性的な言動や態度が強調された(特に2007年版ではその傾向が強い)。佐野泉も、ドラマ版ではよりミステリアスな雰囲気が際立っている。また、中津についても、原作では「関西弁を話す」設定が個性のひとつだったが、ドラマ版では標準語になるなど、細かな変更点が見られる。
そんな中、このたび公開されたアニメ版のティザーPVは、原作ファンの心を掴む要素が散りばめられている。注目すべきは、中津の関西弁が復活していることと、瑞稀のキャラクター造形が原作により近い印象を受けることだ。コミックという静止画の魅力を、アニメーションという動く絵で表現しながらも、原作の持つ繊細な人物描写や関係性をどこまで表現できるのか。新たな『花ざかり』の世界に、期待が高まっている。






















