【ONE PIECE考察】“呪いの王子”ロキが最強の味方に? その真の性格と強さを紐解く
※本記事は『ONE PIECE』最新話の内容に触れる部分があります。連載を未読の方はご注意ください。
麦わらの一味がエルバフに上陸した『ONE PIECE』に、圧倒的な存在感のキャラクターが登場した。それが父親殺しで知られる、“呪いの王子”ロキだ。早々にルフィと接点を持ち、逸話の数々とヒールらしい自信満々な振る舞いで、一気に読者の関心を掴んだ彼。
そこで今回はロキの真の性格や強さ、能力の正体について、ワンピース研究家の神木健児氏(@onepiece_kun)に話を聞いた。
「エルバフ上陸前までで、ロキの姿形の片鱗が描かれたのは、ローラの婚約破棄エピソードの回想のみでした。回想ではシルエットのような形で登場し、その印象は少しふくよかでマヌケさすらありそうな王子様という感じでしたよね。それが実際に登場したら、めちゃくちゃかっこいいヒール役だったことにびっくりしました。
エルバフに関連する名称や設定には、北欧神話をモデルにしているモノが多く存在します。ロキもその1人で、名称は北欧神話に登場する神“ロキ”がモデルでしょう。北欧神話のロキはよく嘘をつく神として知られており、“終わらせる者”の意味を含むと伝えられています。登場早々にロキはルフィに冗談を言って怒られていましたし、『世界を終わらせる』と発言していました。そう考えると名前だけでなく、人物像もロキがモデルになっている可能性が高いですよね」
ロキは重要人物であるだけに、敵なのか味方なのかが最も気になるところだ。
「ロキが良い奴なのか悪い奴なのかは、今後非常に重要になってくると思います。でもこれが今、すごく微妙なラインで。まず、ロキは王であった親を殺しています。さらに『世界を終わらせる』と宣言しており、同族であるエルバフの巨人からも『悪の限りを尽くす』『エルバフの“恥”』と煙たがられていました。極めつけに、面識があると思われるシャンクスが、鎖を解いていないのも気になります。
しかし、ルフィをおちょくり、仕返しされ慌ててる姿なんかからは、憎めない雰囲気も感じられますよね。最新話で描かれた電伝虫での会話シーンでは、相手から『優しいのでは』と言われています。『皆殺し』の言葉に『そこまでは望んでません!!』と戸惑っていたので、正体は明かされてはいないものの、通話相手が常識的な人物なのは間違いないでしょう。その人物に『優しい』と言われるのは、やはり悪い奴ではないのかなと感じますよね。もしロキが良い奴でほかに強大な敵がいる場合、共通の敵を倒すために共闘する展開もみられるかもしれません」
具体的な戦闘描写はないものの、ロキの強さがわかるシーンはあると神木氏は続ける。
「まだ実際の戦闘シーンは描かれていないロキですが、相当な強さだろうとうかがえる描写はいくつもあります。ルフィやゾロ、サンジは、離れた場所からロキの覇気と思われるモノを“ビリビリ”と感じていました。巨兵海賊団のクルーはエルバフの戦士総出で取り押さえたと語っており、次にロキを解き放てば『世界はブッ壊れる!!』とまで言っています。シンプルに考えて、エルバフの巨人の戦士が総出でなければ制御できない時点で、破格の強さですよね。
“好きな海賊団を1つ潰す”ことを条件として提示していることからも、本人の強さへの自信が感じられます。まだ意味が判明していない“世界政府特別懸賞金”の文言はありますが、26億ベリーという懸賞金額も四皇幹部レベルで相当に高額です。レベルはわかりませんが、ロキが作中屈指の強者であることは間違いないでしょう。また、ロキには父を殺して手に入れた“能力”もあるのです」