『薬屋のひとりごと』新キャラ・子翠は何者なのか? アニメ第2期のポイントを原作から読み解く

『薬屋のひとりごと』アニメ第2期の見どころ

 日向夏の大人気ライトノベルを原作にしたTVアニメ『薬屋のひとりごと』の第2期の放送・配信が1月10日から始まった。好奇心旺盛に後宮を動き回る女官の猫猫と、絶世の美貌を持つ宦官の壬氏がバディとなって、後宮で起こる事件の謎を解き明かしていくストーリーを楽しめそう。加えて第2期は、猫猫と壬氏の関係がさらに深まる展開があり、帝国を揺るがす大事件も起こる。新しく登場する「子翠」という少女も気になるところ。そんな第2期のポイントを原作から探ってみた。

新キャラクター 子翠の存在

 後宮に迷い込んだ子猫を捕まえようとした時に現れ、捕まえた子猫を差し出すひとりの女官。『薬屋のひとりごと』第2期の第1話「猫猫と毛毛」で登場したこの女官が新キャラクターの子翠だ。雰囲気から感じ取れるのは、ひねくれて達観したような態度を見せる猫猫とは反対の、明るくて朗らかそうな少女といった印象だ。

 もっとも、小蘭のようなただの友達で終わるはずがないことは、瀬戸麻沙美が声を担当し、コメントを出すほどに大々的な紹介のされ方から予想できる。いったい何者か? その正体については、アニメで『薬屋のひとりごと』を楽しんでいるファンに配慮し、原作の第3巻と第4巻に綴られたストーリーの中で、猫猫や壬氏に並ぶ存在感を見せることになるとだけ言っておこう。

 補足するなら子翠は無類の虫好きで、後宮の中を歩き回って昆虫や芋虫を捕まえて楽しんでいる。薬になりそうな草花を求めて後宮をうろつき回る猫猫とは趣味が大いに似通っている。つまりは猫猫と同様に変わり者だということだ。それだけではないのは先にも触れたとおりだが、当面は「猫猫と毛毛」で愛くるしさを炸裂させていた小蘭も交えた3人が、後宮でわちゃわちゃとする様子を楽しむのが良いだろう。原作通りに進むのなら、3人であるアルバイトをするシーンがどのように映像化されるのかが気になるところだ。

猫猫と壬氏の距離感

 猫猫については、今さら詳細な説明は必要ないだろう。『薬屋のひとりごと』のヒロインで、人さらいにあって売り飛ばされた後宮で、医学や薬学の知識を活かして妃の子供を命の危険から救い、壬氏という美貌の宦官に興味を持たれるようになる。後宮で起こる不思議な出来事の解決に駆り出され、2人で行動しているうちに壬氏から好意を持たれるようになっていく。「猫猫と毛毛」で人が猫に好かれる理由を、猫猫に当てはめ頬を赤らめる壬氏から、そうした感情が漂ってくる。

 もっとも、鈍感な猫猫は貴重な薬や珍しい草花の方にばかり興味を示して壬氏の思いに気付かない。そうしたすれ違いが面白くて笑えるが、ここで気になるのが、去勢されて男性機能を奪われた宦官のはずの壬氏が、どうして猫猫に好意を抱くのかといった点。もしかしたらただの宦官ではないのか。その点については、猫猫が屋根の崩落を予想して飛び込んだ神事で祭祀を務めていたことや、猫猫の実父で軍師の羅漢が訳ありなことを仄めかしていたあたりからも伺える。

 配信されている第2期ファイナルPVの中で強く打ち出されているのも、壬氏にはとてつもない秘密がありそうだということだ。簪を差し出した高順が「特別な方しか身に付けられないものですから、大切にしてください」と壬氏に言う。猫猫を念頭に壬氏が「妙なところで鈍いあの女官でもそろそろ気付くはずだ、俺の正体に」と呟く。皇帝からも含みを持った言葉をかけられる。そんな壬氏がただの宦官であるはずがない。

 ではいったい何者か? やはりアニメでの展開を追いながら確かめていって欲しいと言っておこう。ここでも補足するなら、第2期ファイナルPVに瞬間差し挟まれる蛙に何か含みがあるのかもしれないという点。第1期と同様に連続2クールで描かれる第2期では、おそらく1クール目の終盤で繰り広げられるある事件で、蛙が取り沙汰されるような事態を経て、猫猫も壬氏がただの宦官ではないと気付くことになる。

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