『南国少年パプワくん』完全版で復活決定ーーファンが気になるカラーぺージの存在

■『パプワくん』完全版の中身はどうなる

『少年ガンガン』の公式Xより@shonen_gangan

  柴田亜美の代表作にして1990年代の伝説的な少年漫画『南国少年パプワくん』の「完全版」が、2025年春、全3巻で発売されることが決まった。詳細はこれから発表されるとのことだが、全56話のほか、番外編から読切まで収録され、イラストギャラリーも設けられるとのことだ。

 

  さらに、東北ミヤギや忍者トットリ、マジック総帥などが所属する「ガンマ団」のSECRET FILEが収録されるとあって、ファン垂涎の内容になっている。公式の続報を待ちたいと思うが、記者は、雑誌の巻頭カラーなどでカラーで描かれた原稿は、ぜひこの機会にカラーで収録してほしいと強く願っている。

 『パプワくん』は「月刊少年ガンガン」に1991年4月号から95年6月号まで連載されているが、刊行が始まった頃はまだ「ガンガン」がマイナーな存在だったため、テレビアニメが放送されてから原作の単行本を買い始めた人も多いはずである。

  当時は、現在のようなネットのフリマサイトもなかった時代であり、買い逃した雑誌を手にするのは至難の業であった。そのため、初期のカラーページを目にしていない人も、意外に多いのではないだろうか(通常の単行本ではカラーがモノクロになってしまうのだ)。

  何と言っても、柴田亜美のカラー原稿の美しさはその色使い、色彩感覚にある。筆者は柴田にインタビューしたことがあるが、柴田は故郷の長崎や滞在したアメリカで目にした色使いから影響を受けていると語っていた。『パプワくん』の代表的なキャラの“イトウくん”はカタツムリなのにピンクなのだが、柴田独自の色彩感覚を象徴する傑作キャラといえよう。

  90年代の子どもだった読者も、今では30~40代になっているはずだ。近年、柴田がテレビ出演する機会も多く、さらに『パプワくん』の話題がXでもたびたびバズっているが、「柴田先生が健在で嬉しい」「『パプワくん』懐かしい」「昔読んでいた」「今読んでも面白い」などの感想が多数投稿されている。

  こうした感想を見ても、『パプワくん』が当時の子どもたちを熱狂させたことは間違いないし、特に、イトウくんやタンノくんのビジュアルは言うまでもなく、彼ら(女性のように見えるが女性ではない)が繰り出すギャグが、子どもたちに強烈な印象を与えたのは間違いないだろう。『パプワくん』が今なお愛され、永遠の名作と呼ばれるゆえんである。

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