「ずっと見ていたい」EXILE TAKAHIROが語る、GLAYとの秘話と書籍「GLAY CREATIVE COLLECTON 1994-2024」
■EXILE TAKAHIRO、今でもGLAYに影響を受ける理由
GLAYデビュー30周年を記念して刊行された「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」は、1994年から2024年までの30年間に発表された全シングル・アルバムのCDジャケットやミュージックビデオ(MV)のアートワークを収録した書籍。カメラマンや映像クリエイターにも取材し、コンセプトやテーマ、制作秘話とともに紹介するなど、GLAYの軌跡をビジュアルで辿る作品として話題を集めている。
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リアルサウンド ブックでは、EXILE TAKAHIROにインタビュー。GLAYの大ファンであることを公言し、HISASHI(GLAY/G)とともにACE OF SPADESとして活動するTAKAHIROにGLAYの魅力、「GLAY CREATIVE COLLECTION 1994-2024」の見どころについて語ってもらった。
■GLAYが好きになったきっかけ
——TAKAHIROさんがGLAYのファンになったきっかけは?
最初はたぶん、親の車で聴いたのがきっかけだったと思います。小学校高学年だったんですけど「カッコいいな」とどんどん惹かれて、妹もGLAYのファンになって。小さい頃は妹と同じ部屋だったんですけど、妹がTERUさんのポスターを貼って、どんどんGLAYの色が濃くなって(笑)。初めて買ったGLAYのCDは「BE WITH YOU」ですね。縦長の8センチCDだったんですけど、それを妹の誕生日プレゼントにしました。
——やさしい!
いえいえ(笑)。あのジャケットも鮮明に記憶に残っているし、たぶん実家にあるんじゃないかな。ギターをはじめたのもGLAYがきっかけなんですよ。「BELOVED」のイントロがどうしても弾きたくて。当時は「ラルク派かGLAY派か」みたいな話題もあったんですけど、どっちが好きかによってーーファッションだったり音楽だったりーーその後の育ち方も違っていたような気がします(笑)。ライブも行きましたね、妹と2人で。佐世保から福岡まで子供だけで行くのは超ドキドキだったんですけど、すごく刺激的でした。
99年の20万人コンサート(「GLAY EXPO ‘99 SURVIVAL」)もめちゃくちゃ行きたかったんですけど、さすがに遠すぎましたね。高校に入ると多少は恋愛みたいなこともありましたけど、「とまどい」「SPECIAL THANKS」を聴くと、なんとなく当時を思い出してキュンとしたり(笑)。カラオケでも歌ってましたね。カラオケの映像にMVが使われていることがけっこうあって、ヒット曲のMVはそこで見ることが多かった気がします。
——ファッションにも惹かれていたのでは?
そうですね。学生のときはロン毛にできなかったけど、それでも「HOWEVER」「Winter,again」あたりの髪形を真似してみたり、寄せるためにちょっとパーマかけたほうがいいかなと思って。両親が美容師なので親父にやってもらったら、かかりすぎてしまって(笑)。あとでこっそりおふくろにやり直してもらった記憶があります(笑)。学校に行く前もセットしたり、ワックスで仕上げてましたね。
あとはアクセサリー。当時のGLAYのみなさんの写真を見ると、シルバーアクセサリーを付けてることが多かったんですよ。佐世保の四ヶ町に大きな商店街があって、米軍基地から流れてきたアクセサリーとかをけっこう安く売ってたんですよ。それを集めてたんですけど、数が増えすぎて「あんた、いっぱい持っとるたいね!」っておふくろに怒られてました。TERUさんの赤メッシュを真似したり、カラコンを入れたりもしてましたね(笑)。僕のなかで音楽とファッションがつながって、どっぷりハマってました。僕の青春時代の背景には、いつもGLAYの音楽がありましたね。
■ずっと好きなアーティストはGLAYとEXILE
——GLAYのメンバーと最初に会ったのはいつ頃ですか?
けっこう早い段階でお会いできたんですよ。元々GLAYのファンではあったのですが、僕が高校のときにEXILEがデビューして、すごくハマって。いちばん好きなアーティストはずっとGLAYとEXILEなんです(笑)。勝手に「コラボしないかな」と思ってたら、2005年にそれが実現して(“GLAY×EXILE”として「SCREAM」をリリース)。
——TAKAHIROさんはその翌年にEXILEに加入しました。
そうなんです。初めての衣装合わせのときに、担当してくださったのが今もGLAYのスタイリングをされている坂崎タケシさんのチームだったんです。EXILEに加入できたうえにどことなく、GLAYの衣装のシルエットで、ってすごいテンション上がりました(笑)。その後、過去の楽曲を僕が歌い直すことになって、「SCERAM」もリアレンジすることになったんですが、TERUさんも「僕も歌い直します」と言ってくれて。レコーディングのときに初めてお会いしたんですけど、まさかTERUさんと声を合わせられるなんて思ってもみなかったし、めちゃくちゃ緊張しました。そのときは恐れ多くてあまりお話しできませんでしたね。
——憧れのアーティストですからね。そして2012年にはHIASHIさんとACE OF SPADESを結成。GLAYのメンバーと一緒にバンドをやるという……。
すごいですよね(笑)。僕がもともとロック好きだということを踏まえてHIROさんがアイディアをくれて。それにHISASHIさんが賛同してくれて、TOKIEさん(ベース)、MOTOKATSU(MIYAGAMI/ドラム)さんに声をかけてくれたんですよ。最初は期間限定のバンドだったんですけど、ありがたいことにその後も不定期に活動させてもらっていて。メンバーの皆さんとも「またやりたい」と連絡を取り合っているのでたぶんHISASHIさんが何かを考えてくれてると思います。
——バンドメンバーとしてのHISASHIさんは、どんな存在ですか?
あんなに裏表のない方はいないなと思います。何ていうか、ずっとHISASHIさんなんですよ。音楽をやっているときはオン、やっていないときはオフというわけではなく、スタジオに入ってきた瞬間からHISASHIさんで、外を歩いてるときもHISASHIさんというか。スタジオで世間話しているときに、何となく音を鳴らし始めて、「ちょっと録ってみようかな」という感じで弾き始めることもあって。それが素晴らしく“HISASHI節”なんですよ。すべてが音楽に繋がっているし、本当に音楽のなかで生きている方なんだなと思います。
どんなときもストレスなくニュートラルで、いつも心から楽しんでるんですよ。周りの人を緊張させることもないし、すごく素敵な方ですねACE OF SPADESでステージに立っているときは、「この角度からHISASHIさんが観れるって、特権だな」って思います(笑)。本当にカッコいいんですよ。
——もちろん、今のGLAYもめちゃくちゃカッコよくて。
そうなんですよ! いつ見てもカッコいいし、どんどんパワーアップしていて。ライブの後、メンバーのみなさんにご挨拶させてもらうことがあるんですけど、めちゃくちゃ緊張しちゃうんですよ。2時間半くらいすごいオーラを見せつけられて、「どんな顔して会えばいいんだろう?」って。バックステージで4人に囲まれて「どうだった?」って聞かれたときも「最高でした!!」だけだとなんだか失礼な気がして「ちゃんと答えなくちゃ」と、僭越ながら「外音はこうでした」みたいなことを話させてもらって。
そうすると「だったらあそこを改善しよう」「もうちょっといけそうだね」みたいな話をしはじめるんですよ。いつまでも満足しないというか、ライブが終わった直後から改善点を話し合うって、すごいじゃないですか。ただ、僕は決して改善点を伝えたつもりはなく、恐縮ながら、感動したポイントを伝えただけなんですが(笑)メンバーのみなさんの仲の良さ、お互いにリスペクトしているのも素晴らしいし、アーティストとしても人間としても学ぶところがめちゃくちゃありますね。