もし『ヒロアカ』に『H×H』の能力者たちが参戦したら? 大活躍間違いなしのキャラクターを考察

 TVアニメシリーズ、そして映画も大ヒットのヒロアカこと『僕のヒーローアカデミア』。その大きな魅力は「個性」と呼ばれる特殊能力を用いたバトルシーンだ。「個性」とは言うなれば「超能力」「特殊能力」のようなもの。そこで本稿では、ヒロアカと同様、バトル漫画の金字塔で、主要キャラが特殊能力を持つ『HUNTER×HUNTER』のキャラたちがヒロアカに参加していたら?というテーマで考察したい。

「ワン・フォー・オール」は、ゴン=フリークスのジャジャン拳とどう違う?

 ヒロアカに登場するヒーローの中でもTop of the topのヒーローといえばオールマイトだ。そのオールマイトが主人公の緑谷出久に継承させた個性が、聖火のごとく後継者に継承されていくという性質を持つ「ワン・フォー・オール」。1話からのオールマイトやデクと敵(ヴィラン)とのバトルシーンを見ていくと、この個性は強烈なパンチ技で使われることが多く、衝撃で敵(ヴィラン)を吹き飛ばしたり、致命傷を負わせたり、様々な個性の中でもシンプルかつ最もヒーローらしい戦闘能力だ。

 『HUNTER×HUNTER』のシンプルなパンチ技の代表格といえば、主人公・ゴンが編み出したジャジャン拳だろう。ジャジャン拳は、「最初はグー」のかけ声で拳にオーラを込めて三種の攻撃を繰り出すことができる必殺技。作中のあらゆるシーンでゴンはこの技を繰り出し、ある時は敵を攻撃し、他ではそのパワーで物体を動かす。パワー系の攻撃技という点でこの2つには類似点も多いが、実は大きな違いも。

 例えば、ワン・フォー・オールは拳全体を使うか指一本にパワーを集中させるかなどで、攻撃の仕方や強弱を自在に調整できる。一方ジャジャン拳は、「グー(近距離)」「チョキ(中距離)」「パー(長距離)」という手の形で技を繰り出す距離感を調整して使うのだ。また、第2話でのオールマイトの説明によれば、ワン・フォー・オールは「何人もの極まりし身体能力が一つに収束されたもの」だという。実際33話で、デクはこの技の継承者たちの幻覚を感じ取っている。ジャジャン拳が1人の能力を限界まで高め全集中させた大技なら、ワン・フォー・オールは歴代後継者たちの個性だけでなく思念をも引き継いだ集大成技と言えるのかもしれない。

ヒソカがいれば、雄英体育祭は圧勝だった?

 デクたち1年A組はもちろん、のちに作品のキーパーソンとなる生徒たちが多数初登場したのが第24話からの雄英体育祭のエピソードだ。雄英体育祭は、オリンピックに匹敵する一大行事で、全国のトップヒーローやプロ事務所が注目し優秀な生徒はその場でスカウトされることもあるという、まさにヒーロー青田買いの場。オールマイトがデクに体育祭でトップを獲るよう伝えるほどのイベントなのだ。

 体育会の第1種目は予選·障害物競走。ここで本戦出場者がふるいにかけられ、その後本戦最初の騎馬戦でも組んだチームでポイント上位に残らなければ後がない。デクは、第1種目の障害物競争では機転を効かせてある道具とコースの障害物や爆発を利用しトップを獲得。次の騎馬戦では、予選で得たポイントを守り切る作戦を実施。守りを固められるチームメイトと組むことでなんとか課題をクリアしていたが、逆に言うとこの2競技に有利な個性を持っていたら、機転も工夫も不要で圧勝できていたはずなのだ。

 例えば、『HUNTER×HUNTER』屈指の人気キャラ、ヒソカが持つ伸縮自在の愛(バンジーガム)と薄っぺらな嘘(ドッキリテクスチャー)などが有力だ。バンジーガムは、自身のオーラをガムやゴムなどに変化させることができる能力。オーラから生み出した物質は粘着性があり、自在に伸縮させることもできるので、コース一面に伸ばせばライバルたちの歩みを妨害できる。その上、ゴール付近の物体に粘着させたり巻き付けたりすればロープのように使えて最速移動も可能だ。

 ヒソカの能力は騎馬戦でも有効だ。バンジーガムを使えばハチマキ奪取は容易の上、ドッキリテクスチャーで自分たちのチームが獲得したハチマキのダミーを作ってしまえば、せっかくのポイントを他チームに強奪されることもない。

 ヒロアカの体育祭エピソードには、ヒソカのような個性を持つ生徒が登場しなかったが、もしそうしたキャラクターが登場していたら、デクにとってはかなりの好敵手だったのかもしれない。

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