【漫画】戦争で引き裂かれた昭和の夫婦、令和で再会すると……時代の変化と変わらない絆を描いたSNS漫画に涙

――約2.3万のいいねが集まっていますが、これについて作者ご自身としてどう捉えていらっしゃいますか?

紬音ユユ(以下、袖音)たくさんの方に見て頂ける機会を得られて単純に嬉しいです。多くの方が良いと思って広めて下さり感謝しております。

――本作の着想ついて教えてください。

紬音:様々な転生もの漫画がありますが、戦時中の日本人からの転生のお話は見たことがないかもしれないと思ったのが最初です。私が知らないだけかもしれないので、存在していたら申し訳ないのですが……。

――なぜ戦中の日本人が現代に転生するストーリーに?

紬音:皆様もご存知のように、当時は多くの人々が戦禍の犠牲になっています。それぞれに成したい夢もあり、恋もしていたり、子どもなら大人になる未来を描いたりも当然あったと思います。それが半ばに断たれた事を来世では実現していてほしい……と思ったのが最初のアイデアでした。

 あとは私自身が昭和前期文化に興味があった事もあります。物資も技術も足りない時代、当時の人々がどんな風に暮らしていたのか、現在と比べてどれだけ世界は変わったのかを描いてみたくて。

――昭和への興味はいつから?

紬音:小学生の時からありました。図書館に行っては本を読み漁る小学生だったので、とりわけ戦時中に関する物語は強く記憶に残っていますね。自分でも意識的に選んで読んでいた気がします。

 暮らしに関する文化面への興味や、戦禍に引き裂かれた事への悲嘆は、大人になった今も強く心を動かされます。本作を描こうと思ってから、その時以上にたくさん資料を読み、博物館に足を運びました。様々な取材と同時に小学生時代の自分の記憶の補完もしていたように思います。

――微笑ましい夫婦喧嘩も特徴ですが、作画的にこだわった部分は?

紬音:戦時中というと重たい話を覚悟して、しんどくて読めないという方にも興味を持って読んでもらえるよう、コメディ部分は極力明るく描くように努めました。結果的に読みやすいという評価を多く頂けて嬉しいです。

――作家としての展望、なりたい作家像を教えてください。

紬音:読者様の心を揺さぶるような物語が描けるようになりたいです。特に表情の機微は大事にしたい部分。読みながら同じ表情になってしまうくらい、感情が動く漫画を描ければ。これからも日々邁進していきたいと思います。

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