『僕のヒーローアカデミア』オールフォーワンが母から奪った個性、以前から伏線になっていた!?
8月5日発売の「週刊少年ジャンプ」36・37合併号で完結することが明らかになった、人気ヒーロー漫画『僕のヒーローアカデミア』(堀越耕平)。最新40巻では、長きにわたりヒーローと対峙してきた巨悪、オール・フォー・ワンを遂に撃退した。
数え切れない数の個性を抱えていた彼だったが、過去の回想から初めて奪った個性が母親の「硬質のいぼ」を生み出すものと判明。最後の最後に爆豪に対して放ったこの個性は、作者がオールフォーワンの登場時からすでに設定されていたものなのか、作中から考察してみたい。
まず、硬質の「イボ」という個性についてと、これまで登場したオール・フォー・ワンの戦闘シーンを振り返ってみたい。407話で描かれたオール・フォー・ワンの回想の中では、母に出現したイボは貝殻のような形状だった。
しかし、幼少期のオール・フォー・ワンが軍人相手に戦っているシーンでは、海洋生物イッカクの角のような形状を作り出しているのが確認できる。全身にイボを発現させて防御としても使えそうではあるが、直線的に発達する特性から攻撃的な個性として使っていたのだろう。
青年期を迎えたオール・フォー・ワンは、世界各地で個性を奪う活動をしていた。本作の一話から描かれていた、「全身が発光する」という世界で初めての個性や、浮遊の個性など、この頃から彼は数えきれないほどの個性を抱えていると想像できる。
さて、青年期を迎えた彼は、硬質のイボの個性を使用していなかった。時系列から考えると、次にオール・フォー・ワンが登場したのは、11巻でのオールマイトとの戦闘シーンだ。数多くの個性を使いながらも、「イボ」を使用している形跡は見られない。
しかし、93話ではオールマイトにとどめの一撃を与えようと、攻撃的な個性を右腕に集め、大きく膨張したその右腕には硬質のイボを発達させた形状に似た角がある。もしここで登場していた個性が硬質のイボだったとすると、既にオール・フォー・ワンの回想がこの時点で構成されていた可能性が浮き出てくる。
その後しばらく空いた354話にて、エンデヴァーとホークスとの戦いでは、燈矢(荼毘)についての口撃で、動揺したエンデヴァーの横腹を食いちぎるような一撃では、前にのびた複数の角と歯のように並べた角が描かれている。
この時に登場した角と、93話で登場した角では螺旋状の特徴は一致するものの、似て非なるもののように感じる。また、オール・フォー・ワンが赤ん坊の状態から放った角は、354話の角と全く同じと言ってもいいデザインだ。