『シティーハンター』冴羽獠に仕事を頼むなら報酬はいくら? 原作内の描写から算定してみた
バーボン200本を依頼料代わりにすることも
裏社会は、貸し借りが物を言う業界のようだ。「危険な家庭教師」のエピソードでは、冴羽が闇組織の竜神会から1億円を受け取るもまさかの1週間で使い切り、返金が必要になったのに金を用意できなくなってしまう。
この際、冴羽は金を返す代わりに会長の娘のボディーガードを引き受けるという驚きのやり方で返金分をチャラにしている。さらに「裸足の女優」の回では、恋人を失い自殺願望を抱える人気女優・佐藤由美子が、自分を殺させるために海坊主を雇ったことを受け、高級ホテルの朝食で彼を買収(!)し、彼女に恋人への未練を断ち切らせるある作戦に協力させるのだ。ちなみに、東京都内の高級ホテルの朝食は高くても5~6000円程度。いくら旧知の仲である海坊主とはいえ、プロを抱き込む作戦としては激安(ある意味お友だち価格)と言えるだろう。
しかし海坊主も負けてはいない。このお返しか「海坊主からの依頼」の回で彼は、冴羽に依頼したある女性のボディーガード代(アパートの修理代含む)200万円をバーボン200本で支払っている。殺し屋からの襲撃でアパートが破壊された上、まさかの現物支払いに、冴羽といえども不貞腐れる、というシーンでこのエピソードは幕を閉じる。
危険と隣り合わせの上、数百万、数千万円の金が動く裏社会。しかしシティーハンターたちは、数百万、数千万円のギャラよりも心が動く依頼のみを実行したり、旧知の人間と貸し借りで仕事をこなしていたりする。そんなスイーパーたちのアナログで人間臭い関係性こそシティーハンターの魅力なのだ。