『みずぽろ』191cmの転校生は超絶運動オンチ? 「水球」がテーマの大型青春学園コメディが面白い
読めば読むほどハマっていく中毒性
水球というスポーツに明るくなくても、主人公2人と一緒に少しずつその魅力に触れながら興味を持つことができることも本作を推したいポイントの1つだ。読み進めていく内に、気づけば水球というスポーツ自体に段々と惹かれている、そんな中毒性が本作にはある。
どれだけ運動神経が悪かろうと、このスポーツをやってみたいという憧れや強い気持ちがあれば、向き、不向きなど関係なくやってみたら良いのだ、と背中を押してもらっているような気持ちにもなる。
元々運動神経に優れている信濃はこれからどんどんと技術を増していき、優れた水球選手になりそうな予感が漂うが、運動神経0の山城がここからいかにして成長を見せていくのかにも注目していきたい。どんな名将でも、身長を大きくすることはできない。大きいこと自体が立派な才能なのだから、先行きは不透明だがきっとなんとかなる筈だ。むしろそうであってほしいと願う。
マイナースポーツをテーマにした本作、されど競技人口とスポーツの面白さは全く比例しないこともまた事実だろう。『みずぽろ』という作品世界に足を踏み入れることで、読者にとってまた新たな扉が開かれることになる。それはこの上ない読書体験となるだろう。
前代未聞の主人公が運動神経皆無という新感覚スポーツ漫画でもあり、キャラクター達の掛け合いが爆笑を誘うコメディとしての完成度も異常に高いスポーツ&コメディのハイブリットが魅せるこれからの展開に、期待感満載の本作をぜひ手にとってみてほしい。