「違法でしょ」『こち亀』両津勘吉、一般人でもアウトなヤバいビジネスといえば?
こちら葛飾区亀有公園前派出所の主人公、両津勘吉。彼の大きな才能といえば、ビジネスの才覚だろう。
ビジネスチャンスを見逃さず迅速に事業を始め、必ず利益のでるものにする。結局失敗するというオチはあるものの、一時でも儲けの出る事業に持っていく才能は素晴らしいものがある。そんな両津のビジネスだが、「犯罪スレスレ」になってしまうこともしばしば。そこで今回はそんな両津のヤバいビジネスを検証したい。
保険ビジネス(要件を細かい字で書いて保険金を巻き上げ)
中川から保険会社が儲かっていることを教えられた両津は「金を預かって何かあったら、倍返ししなければ、親の総取りか。こりゃ美味しい商売だ」とつぶやき、保険ビジネス会社を立ち上げる。
両津は警察署内で「風邪引き保険」、自分の体になにかあったらその状況に応じて保険金が支払われる「特別被害保険」などを考案し、1カ月で380万円を売り上げた。その後、風邪引き保険の契約者が熱を出し「金をくれ」と交渉に来ると、小さく記載した「45℃以上出ないと支給しない」という条項を盾に支払いを拒否した。
その後も両津はこの手法で契約者を増やし、1000万円をこえる売上を達成。さらに散々商標を売りまくった末、計画倒産することで儲けを確保し、加入者は泣き寝入り。両津は悪徳ビジネスでボロ儲けすることになった。
両津が保険業を行うにあたって、保険業法に基づいた然るべき手順を踏んでいる可能性はかなり低い。また、保険金を支払う条件を明確にしない行為は詐欺である。
政治家風パーティー (政治家のように「両さんを励ます会」を開催)
政治家の政治資金パーティーで30億の金が動くことを知った両津。自身も金を儲けるため、パーティー「両さんを励ます会」を企画。警察署内を回り、パーティー券を強引に売りつける。しかも、開催された「励ます会」はただ両津がエラそうに椅子に座りふんぞり返っているだけだった。
調子に乗った両津は1人2万円のディナーショーを開催。ポスターに「友情出演 杉良太郎・美空ひばり・中森明菜・スティーブンスピルバーグ・マイケルジャクソン・マドンナ」と記載し期待を煽るものの、いざ開演すると「ミスプリント」とアナウンスし、豪華ゲストは出演せず。結局両津がハトポッポを歌う、大衆演劇をするなど、どうしようもないものだった。
激怒した部長と中川が詰め寄り、返金が決定。ところが集めた金を入れた財布が盗まれてしまい、パーティー券の売上500万円は消えてしまった。
政治家の政治資金パーティーは現在でも収支報告書に記載がされていなかったり裏金などと大きな問題になっているが、ここに目をつけた両津の「金儲けに対する嗅覚」は、凄まじいものがある。
婦警にマッサージ
ひょんなことからマッサージが上手であることが発覚した両津。部長の提案で、お年寄りを警察署に集め、無料でマッサージを行うことになった。
その後、エロ男性高齢者が「婦警にマッサージしてもらえるなら、金を出してもいい」とつぶやく様子を見逃さなかった両津は、「肩こりが治る気がするローリング・ストーン」を購入すると秋本麗子のマッサージを受けることができる」というビジネスを考案。男性高齢者に買わせたうえ、アイマスクをさせて途中で女性を入れ替えることで、麗子の稼働率を上げた。
さらに警察署に高齢者を集めるスタイルをやめ、婦警マッサージの出張サービスをスタート。このビジネスは大当たりで、出張エリアを拡大していく。しかし週刊誌に「警察署公認宅配婦警ビジネス」と書き立てられてしまい、所長と部長にバレてしまう。「健全なマッサージ」ということで事なきを得たが、「イメージが悪い」という理由で、このビジネスは断念することになった。男のスケベ心をたくみに商売に変えた両津。流石の一言である。
両津の悪徳ギリギリのビジネスはほぼ犯罪。まねをした場合、逮捕される可能性が高いしそもそも両津は警察官である以上、副業などのビジネスをすることは国家公務員法に抵触するので、違法であることは間違いないのだが、どんなときでも「金儲け」を追求する思考力とビジネスチャンスを見逃さない能力は、凄まじいものがあるといえるだろう。