『シティーハンター』のもう一人の主役！　槇村秀幸のカッコ良すぎる回想エピソードを考察

死後の回想で登場する“男前エピソード”の数々

　原作やアニメ版で、妹想いの槇村が実は妹・香と血が繋がっておらず彼女の出生の秘密を死ぬまで告げられず、死に際にその秘密を冴羽に託すシーンはあまりにも有名だが、作中にはそれ以外にも彼の男前エピソードが度々登場する。

　刑事・野上冴子が持ち込んだ、スポーツクラブでの人身売買組織による女性誘拐事件では、物語が進む中で、冴子と槇村が実は元同僚でコンビを組んでいたことが明かされる。妹の香の前では、優しくてドジな兄だった槇村が、警視庁の女豹ともうたわれる冴子とバディを組んでおり「解決できないことがない」と言われるほどの名コンビだったというのだから、かなりのギャップだ。さらに、冴子が当時、槇村と冴羽と三角関係だったことも明かしており、実は敏腕刑事でモテていたことも分かる。

　作中の槇村は、刑事やスイーパーとしては敏腕だが、家族にはドジな面も見せる、正義感や情に熱い男として描かれている。冴羽たちや冴子の回想から見える槇村の人間臭さこそが『シティハンター』が単なるバトル漫画やコメディではなく、家族や友情の物語であることをまさに証明していると言えるだろう。