『シティーハンター』のもう一人の主役! 槇村秀幸のカッコ良すぎる回想エピソードを考察
主人公である冴羽獠と槇村香が新宿を舞台にスイーパーとして事件を解決していく物語『シティーハンター』。本稿では、獠の日本での最初のパートナーで、2人を引き合わせた影の主役、槇村 秀幸のかっこよさについて、回想回からそのカッコ良さを紹介する。
銃さばきも冴羽並み 正義にこだわる真のヒーロー
冴羽と槇村がバディを組んでいた頃のエピソードは、『シティハンター』のエピソード0的な位置付けとなっており、コミック1巻の冒頭4話と、槇村の死後、香とパートナーになった後にも何度も回想で登場する。特に、コミック4話「恐怖のエンジェルダストの巻」では彼の人となりや冴羽も認める銃さばきが明らかになっている。
麻薬密売組織ユニオン・テオーペの幹部から、高級クラブ「シルキィクラブ」に呼びつけられた槇村は、そこで関東一円を牛耳る暴力組織のドンを殺害するよう依頼される。シティハンターのポリシーに合わない依頼を突っぱねた槇村は、その幹部から彼が着ている服がドブネズミのようだと侮辱された上、依頼を受けなければ香に危害を加えると脅しを受けることに。
槇村は銃を持った構成員たちに囲まれる中、「きさまらが殺し合うのは勝手だ!だがおれの身内に手を出した時は、命はないと思え」と啖呵を切って間髪を入れずに、テーブルにあったナイフで敵からの銃撃を阻止。最後は幹部に銃口を突きつけながら「悪魔はドブネズミにおとる」と捨て台詞を吐きながらその場を後にするのだ。ナイフで敵の動きを封じ込めてからの銃を構える一連の動作は、まさに流れるような所作で寸分の迷いもない。
また、このエピソードで冴羽が護身用の銃を渡した際、槇村が「俺の腕はもうさびついている」と言ったのに対し「そう思ってるのはおまえだけだよ」と返しており、獠が彼の銃さばきにかなりの信頼を寄せていたことも分かる。また、「BMWの悪魔の巻」では、怪我を負った冴羽の左手を手当てするシーンも登場。銃の扱いだけでなく冴羽の怪我の応急措置なども行なっており、信頼されていたことが分かる。槇村は、世界一のスイーパーである、冴羽獠も絶大な信頼を寄せていた男なのだ。