ジャンプ『東京卍リベンジャーズ』作者・和久井健が新連載  次々と“電撃移籍”を実現させる編集部の戦略

和久井健「週刊少年ジャンプ」新連載なぜ実現?

 講談社の『週刊少年マガジン』で『東京卍リベンジャーズ』を大ヒットさせた和久井健が、集英社の『週刊少年ジャンプ』にて新連載を始めることが判明した。誰もが注目する大物漫画家の“電撃移籍”というニュースに、驚きを隠せないマンガファンが多いようだ。

  和久井はデビュー作から現在に至るまで、講談社でキャリアを積んできた作家。デビュー作の読み切り『新宿ホスト』は『別冊ヤングマガジン』2005年8号に掲載され、代表作の『新宿スワン』は『週刊ヤングマガジン』で約8年半にわたって掲載された。

  その後、活動の場を少年誌に移し、『東京卍リベンジャーズ』の誕生に至るのだが、掲載誌は変わらず講談社のままだった。マンガ業界では作家と出版社の結びつきが強いため、移籍のニュースに驚く人が多いこともうなずける。

  とはいえ、最近の『週刊少年ジャンプ』では別の出版社で活躍していた作家の新連載が増えている。たとえば『アオのハコ』を好評連載中の三浦糀は、元々講談社で活動していた作家。デビューのきっかけは「第91回週刊少年マガジン新人漫画賞」の佳作受賞で、2017年から2018年にかけて、『週刊少年マガジン』で『先生、好きです。』を連載していた。

  その後の成り行きは実質的な再デビューに近い印象で、2019年に集英社のマンガ賞である「第4回ガリョキンPro」で準キングを獲得。さらに2020年に、マンガ創作講座「ジャンプの漫画学校」第1期を受講した上で『アオのハコ』の連載を始めている。

  また『約束のネバーランド』の作画担当・出水ぽすかは、元々小学館で活躍していた漫画家だった。しかし完全に集英社に移行したわけではなく、2023年から小学館の『月刊コロコロコミック』にて「ベイブレード」シリーズの新作マンガ『BEYBLADE X』を連載している。

 『Dr.STONE』の作画担当・Boichiもこれに近いスタイルで、集英社での執筆活動と並行して、講談社の『モーニング』や小学館の『週刊少年サンデー』などに作品を発表している。

  さらに本誌ではなく『少年ジャンプ+』では、2月6日よりヤマザキマリの大ヒットマンガ『テルマエ・ロマエ』の続編である『続テルマエ・ロマエ』の短期集中連載が始まったばかり。前作はKADOKAWAの『月刊コミックビーム』で連載されていた作品だったため、こちらも大きな驚きをもって受け止められている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる