【漫画試し読み】異世界に迷い込んだのは普通の女子高生!? 愛らしく勇気がわく成長譚『ポーション、わが身を助ける』
異世界転生/転移系ファンタジーの醍醐味のひとつは、読者が共感できる「普通」の主人公が、現実の知識や新たに得た能力で見知らぬ世界を生き抜いていく姿だ。人気ライトノベルで、現在コミックサイト「ヒーローコミックス」で漫画版が連載中の『ポーション、わが身を助ける』は、異世界で奮闘する"普通の女子高生”の姿が愛らしく、その成長に思わず見入ってしまう、没入感たっぷりの作品だ。
普通の女子高生・カエデは、目を覚ますと見覚えのない路地裏で目を覚ました。そこは獣人やエルフ、ドラゴンのいる不思議な異世界。カエデは持っていたリュックサックに見覚えのない本があることに気がつく。そこに書かれていたのはポーションの作り方だった。 しかも、「生成」と唱えるだけでポーションが出来てしまった! ポーションを売ったり、使ったり。女子高生が異世界で奮闘、大活躍する!
リアルサウンドブックでは、『ポーション、わが身を助ける』の原作者・岩船晶先生と、コミカライズを手がける戸部淑先生にインタビューを敢行。本作が生まれた経緯や、愛らしくも勇気がもらえる物語に込めた思いを聞いた。
『ポーション、わが身を助ける』第1話を読むには画像をクリック
『ポーション、わが身を助ける』岩舟先生&戸部先生インタビュー
ーー『ポーション、わが身を助ける』は無敵のチート能力ではなく、「わが身」だけでなく周囲の人々を助ける「ポーション」にフォーカスしたのが面白く、戸惑いながらも前向きに奮闘するカエデの姿も愛らしい作品です。ほのぼのと癒されるムードも魅力的ですが、この物語がどう生まれたのか、着想のきっかけも含めて教えてください。
岩船晶(以下、岩船):趣味で描いていたらくがきで、高身長でたくましく気が強そうな女性キャラクターであるカルデノの姿が出来上がったのがきっかけでした。思いつきで生まれたキャラクターであるカルデノが、自分より小さくて弱くて頼りなさそうな女の子に心を許して、お互いを大切に思って一緒に過ごす姿があったら、そんな組み合わせってとっても可愛いんじゃないかなと次は相棒であるカエデを想像したんです。
戦うことが出来て人付き合いは苦手なカルデノを軸に考えた時、真逆な存在はカエデのような普通の女の子なのかなと思い、それから戦うことは出来ないけれど傷を癒すポーションを作ることの出来る普通の女の子であるカエデも生まれ、『ポーション、わが身を助ける』が始まりました。
ーー戸部先生は、コミカライズを手がけるにあたってこの物語をどう捉えましたか。
戸部淑(以下、戸部):異世界転移をしてチート能力が手に入る、という設定なのに主人公自身は一向に強くならず異世界にも馴染めないままというのが新鮮だなと思いました。
ーーやや幼さを残しながら試行錯誤を繰り返して成長していくカエデ、辛い過去を抱えながら優しく凛々しいカルデノや愛らしいニナも原作のイメージにぴったりです。作画についてはどんなことを意識していますか。
戸部:原作小説挿絵のキャラデザをする際、カエデとカルデノは岩船先生の描かれたイラストがありましたのでそれを参考にデザインしました。コミカライズ版はとにかく一杯一杯ですが、読みやすく描けていればいいなと思います。
ーー岩船先生は、そんな戸部先生の作画をどう受け取っていますか。
岩船:可愛いキャラクターはくりんととても可愛らしく、かっこいいキャラクターはキリッとかっこよく描かれていて、絵そのものに惹かれるのはもちろんですが、頭の中で思い描けていると思っていた場面や景色も、戸部先生の描いたものを見ると「これだったんだ!」と興奮して、作者である自分自身がどんな展開になるのかを知っているのにワクワクした気持ちのまま続きを読めてしまうのがとても素敵だなと思っています。
ーーカエデとカルデノのバディについて聞かせてください。カエデはいい意味で「普通の女子高生」であり、感情移入したり、素直に応援したりできる素敵な主人公だと思います。そんなカエデを支えながら、支えられているカルデノももう一人の主人公と言える存在ですが、お二人はカエデ・カルデノをそれぞれどんなキャラクターだと捉えていますか。
岩船:カエデもカルデノもお互いを大切に思っていて、気を許した相手に素直なところは共通点かも知れません。カルデノはそこまで口数は多くなくて他人と長々お喋りを楽しんだりせず性格はハッキリしていて、過去の経験から自分の手で抱えられる少しのものだけは必死に守りたい人なのかな?と思っています。
逆にカエデは人と話すことが嫌いではないようで、感謝の気持ちや言葉を伝えることを忘れないようにしています。それに普通の女の子よりもちょとだけ勇気があるんじゃないかなと。だからこそ異世界でも何とか過ごして行けて、そんなカエデとカルデノは噛み合った二人になれているかなと思っています。
カエデにとって異世界での友達がカルデノで、カルデノにとってはひょっとして人生で初めての友達の可能性もありそうなカエデ。二人はお互いに人生で一番の友達だと認識している親友です。
戸部:カエデは本当に良い子過ぎでもなく悪くもない普通の子、という感じで逆にカルデノは能力的にも性格的にもほぼ隙や揺らぎがないキャラなので、その差異とその中での絆の深め方が見どころだと思います。
ーー難しい質問かもしれませんが、お二人にとってお気に入りのキャラクターをあえてひとり挙げるとしたら?
岩船:とても悩みますが、カルデノです。もとから高身長だったり強い女性キャラクターが好きなのもありますが、カエデと過ごすようになって性格の角が丸くなっているような、感化されている様子が見て取れるカルデノがちょっとかわいいので。
戸部:ニナ(カスミ)。純粋に可愛いです。
ーーちなみに、お二人がもし自由にポーションを生成できるとしたら、どんな効果のポーションが欲しいですか?
岩船:一口飲むだけで副作用なく体の不調すべてが回復するポーションが欲しいです。
戸部:同じく、疲れも身体の不調も取れてスッキリできる合法ポーションですね。
ーーこれから漫画版『ポーション、わが身を助ける』に触れる読者に対して、メッセージをお願いします。
岩船:ちょっとだけでも興味が湧いたり、絵が可愛いなとかの理由でもいいので、少し目を通して頂ければきっと楽しい時間になるはずなので、是非「ポーション、わが身を助ける」を読んで頂けたらと思います!
戸部:頑張って描かせていただいておりますので少しでも楽しんでいただけますと嬉しいです。
『ポーション、わが身を助ける』
作品URL:https://www.infos.inc/fandom/comic/hero04/