『ONE PIECE』イムとニカの関係は? 考察によって浮かび上がる「羊」モチーフと古代エジプトの神

『ONE PIECE』世界の秘密を握るのは巨人族?

イムの正体は古代エジプトの神話に関わる?

  羊や山羊をモチーフとした神話生物にはさまざまな種類があるが、代表格としてはやはりバフォメットが思い浮かぶ。人間と山羊が一体化したような見た目で、キリスト教における悪魔とされている生き物だが、「イムの正体は悪魔である」という説が存在することを考えると、1つの有力候補と言えるかもしれない。

  ただ、それよりも重要だと思われるのが、古代エジプトで信仰を集めていたアメン神の存在だ。アメン神は上エジプトの都市・テーベの守護神であり、後に太陽神ラーと習合することでアモン=ラー信仰として国家規模にまで影響を拡大したという。

  そんなアモン神の象徴は羊だとされており、ヨーロッパにおけるアモン(悪魔)の由来になったという話もある。なにかとイムを連想させる概念と結びついているように見えないだろうか。さらに、イムの独特なシルエットは古代エジプトにおける正体不明の神・メジェドに似ているが、一説によるとメジェドの中身はアメン神ではないかとも言われているそうだ。

  そう考えると、アメン神が太陽神と習合していることも示唆的だ。『ONE PIECE』において太陽神といえばニカであり、真っ向からイムと対立する存在として描かれてきたが、実は両者のあいだには何らかの強い結びつきがあったのかもしれない……。

  今のところすべては憶測に過ぎないが、ニカとイムはどちらも赤い瞳という共通点を持っている。今後の展開によって、イムの正体の核心に迫るような情報が出てくることを期待するばかりだ。

 

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