すとぷり、待望のアニメ映画でさらなるファン獲得か? エンタメの最前線をいく異例の活動スタイルを解説

すとぷり、待望のアニメ映画でさらなる飛躍

 2016年の結成から8年。5大ドームツアー敢行やNHK紅白歌合戦出場を成し遂げたエンタメユニット「すとぷり」が、今度はアニメ映画『劇場版すとぷり はじまりの物語~Strawberry School Festival!!!~』になってスクリーンに登場する。「歌ってみた」や「ゲーム実況」「ツイキャス」といったネット配信で活躍していたメンバーが集まり始まったすとぷりは、メディアにはイラストキャラクターで登場して愛らしさを振りまき、ライブやイベントには生身で登場してパフォーマンスを見せるという、他にあまり例のない活動スタイルでファンを広げてきた。アニメ映画化はそんな「すとぷり」をどこに連れていくのか?

「いまでもそうなんだけど、「すとぷりってどんなグループなの?」ってきかれたときに、YouTuberではないし、もちろん歌い手さんでもないし、ゲーム実況者グループでもないし点点わかりやすくコレ!っていえる活動がなくて、楽しいことぜんぶやる!って感じだから説明がしづらいんだよね(笑)」

 2021年6月に発売された『すとろべりーめもりー vol.7』で、すとぷりについて聞かれたリーダーのなーくんことななもり。が答えたこの言葉が、前代未聞の活動を続けるすとぷりが持つ不思議な立ち位置であり、どこまでも広がっていける可能性を表している。

 すとぷりの人気は凄まじい。YouTubeの動画再生数は75.7億回を超えていて、YouTubeチャンネル登録者数も269万人を突破。2022年に実施した5大ドームツアーでは約32万人を動員した。

 もっとも、ファンとして動画を見たりライブに行ったりして応援し続けている「すとぷりすなー」以外の人は、どのような顔をしていて、どのような歌を唄っているのかを知らないかもしれない。男の子だけのアイドルグループ? ネットで活躍しているYouTuber? それとも流行のVTuber? そんな曖昧な知識が浮かぶくらいだろう。

 すとぷりはそのどれでもあって、どれでもない。インタビューでなーくんが「すとぷりはすとぷりだよ!!!みたいな」と続けたように、他に例えられない活動を自分たちのプロデュースによって続けてきた。

 ライブに生身で登場する点は昔ながらのアイドルと同じ。メディアでは顔を出さないという点も、古いところではGRe4N BOYZ(3月19日にGReeeeNから改称)がいて、最近でもAdoやずっと真夜中でいいのに。がそうした活動スタイルで支持を集めている。ただしすとぷりには、メディア向けにイラストによるキャラクタービジュアルが用意されていて、そちらもグッズになったりメディアに登場したりして人気となっている。

 いわゆる“中の人”が表に出ず、イラスト的なキャラクタービジュアルとしてだけ活躍するならVTuberと似ている。2016年から2022年まで活動したARダンスボーカルグループ「ARP」が、CGのキャラクターによるパフォーマンスに声や歌を合わせてライブを行った活動に重なるところもある。

 すとぷりがNHKの紅白歌合戦で見せたパフォーマンスは、別のスタジオで歌い踊るメンバーのパフォーマンスをリアルタイムでCGアニメーションに変換し、モニター上で重ねて見せたものだった。ARPの場合は、ステージ上に設置された半透明のスクリーンに投影することで観客にパフォーマンスを見せていた。

 そうしたアイドルでありYouTuberでありVTuberでありARパフォーマーといった要素を、これと絞らずにいろいろと挑戦しながら活動を続けているところに、すとぷりというエンタメユニットの独特さがあると言えるだろう。

 そんなすとぷりが、万人に知られているかというとそこは迷うところだ。そもそも何人なのかといったことも知らない人が結構いる。2023年末のNHK紅白歌合戦に出演したすとぷりを見て、メンバーは莉犬、るぅと、さとみ、ころんの4人組なのかと思ったかもしれない。ところが、3月24日に発表された『劇場版すとぷり はじまりの物語~Strawberry School Festival!!!~』のティザービジュアルには6人が描かれている。どういうことなのか?

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