すとぷり、待望のアニメ映画でさらなるファン獲得か? エンタメの最前線をいく異例の活動スタイルを解説

すとぷり、待望のアニメ映画でさらなる飛躍

 すとぷりでは、2022年にななもりとジェルの2人が相次いで活動を休止していた。2023年末に紅白が終わり、明けた2024年1月27日にこの2人がすとぷりに再合流して、前のように6人のメンバーで再スタートを切った。喜びも消え入らない2ヶ月後のアニメ映画化発表で、ファンの人たちもテンションが上がったことだろう。あの6人と上映期間中、映画館の大きなスクリーンでメンバーに会えるという点でも。

 もしかしたらアニメ映画化は、これまですとぷりを気にしていなかった層にも評判を届ける役割を果たすかもしれない。2023年5月20日に“劇場ライブ“という名目で公開された『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』というアニメ映画がある。スマートフォン向けアプリゲーム『アイドリッシュセブン』に登場する男性アイドルたちのパフォーマンスを劇場で見せる作品だが、ファンが一緒に応援できる上映スタイルを取り入れ、連日超満員となる賑わいを見せた。

 半年を超える超ロングラン上映にとなったこともあり、評判が「アイナナ」のファン以外にも広がって、劇場をのぞいてみる人も現れ認知を広げていった。映画館というプラットフォームで映画というメディアを使い作品が展開される意味はそこにある。すとぷりも同じように、映画を通して熱いファンたちの少し外側にいた人たちを呼び込み、一段のスケールアップを遂げるかもしれない。

 キャラクターとなったアイドルが登場するアニメ映画は、2024年に他に幾つも登場する。ひとつが「KING OF PRISM(キンプリ)」シリーズ。女の子たちが活躍する女児向けのTVアニメ「プリティーリズム」シリーズの『プリティーリズム・レインボーライブ』から枝分かれするように、イケメンの男の子たちが活躍する作品として「キンプリ」は誕生し、女性のファンを獲得してきた。2016年公開のアニメ映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』は、スクリーンに向かって歓声を上げる応援上映を定着させるきっかけになった。

 もう1本、5月17日に公開となる『i☆Ris the Movie - Full Energy !! -』は、アイドルユニットとして活動を続けるi☆Risのメンバーがアニメキャラとなって登場する作品だ。i☆RisはTVアニメ『プリパラ』シリーズに登場するキャラクターの声をメンバーがそれぞれ声優として担当し、ライブや舞台にそうしたキャラクターの扮装で出演する活動も続けてきた。今回の映画では、メンバーがキャラクター化された自分を演じることになる。メディアや紅白でイラストキャラクターを立てて活動してきたすとぷりに、ある意味で追いついたとも言える。

 リアルとバーチャルが融合したアイドルユニットの活動は、他にも『うたの☆プリンスさまっ♪』や「ラブライブ!」シリーズ、「BanG Dream!」シリーズなどがあって群雄割拠の状態だ。4月5日にはリアルなライブ活動も繰り広げるバンドのメンバーが演奏や歌唱、そして声も務めるTVアニメ『ガールズバンドクライ』もスタートする。そうした中で個人的な活動から始まり、今も自分たちでプロデュースを続けるすとぷりが、『劇場版すとぷり はじまりの物語~Strawberry School Festival!!!~』をきっかけにどれだけの広がりを見せるのか。すとぷりすなーでなくても気になるところだ。

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