『葬送のフリーレン』戦士シュタルクの可哀想なシーン3選 辛辣なフェルンとの掛け合いが愛おしい

『葬送のフリーレン』可哀想なシュタルク

 アニメが大好評のうち最終回を迎えた異世界ファンタジー漫画『葬送のフリーレン』。魔王が打倒された後の世界を描く作品で、バトルの描写も秀逸だが、それ以上に登場人物たちの感情の動きや何気ない掛け合いが魅力的だ。なかでも、エルフの大魔法使い・フリーレンの旅の仲間である、フェルンとシュタルクの掛け合いは人気が高く、シュタルクの不憫な姿が印象に残る。

 フェルンは時にフリーレンも舌を巻くほどの天才だ。一方、フリーレンから誘われパーティの一員として共に旅をしている戦士・シュタルクは、勇者パーティを支えた最強の戦士・アイゼンを師に仰ぎ、その師に恐怖を与えるほどの才能を持つ。単独で大型龍を瞬殺してしまう強さ、重症を負った数日後には筋トレを始める回復力など、作中の他の戦士と比べても規格外の能力を持ったキャラクターだ。

 しかしながらその強さとは裏腹に、何度も腰が抜けてしまうほどビビりで気弱な性格であると共に、“うんこみたいな形の雲”で喜べる少年の心を備えている。そのためか、フリーレンやフェルンから雑な扱いを受けることも多い。

 例えば2巻11話にて、3年もの間お互いに牽制しあっていた龍をフリーレンの後押しもあって討伐した時の出来事。討伐後村の人達に祝福され惜しまれながらも旅立ったシュタルクに早速の悲劇が訪れる。龍の巣から魔導書を取得していたフリーレンは、フェルンにそれを試させることに。

 「服が透けて見える魔法」を使ったフェルンはシュタルクを見つめ、軽蔑した顔で「ちっさ」と呟いたのだ。たった2〜3コマの一幕だったが、まだ出会ってから数日しかたっていないのにも関わらず、シュタルクの自尊心が傷つく瞬間は、多くの男性読者が共感できるだろう。

 続いては4巻30話にて、鳥の魔物から襲撃された後の一幕。以前ひと悶着ありながらも、フェルンに送った誕生日プレゼントのブレスレットについて、ザインが話を切り出した。

 それぞれが笑みを浮かべ、緩やかな空気が流れる中、鏡蓮華のデザインに「久遠の愛」という花言葉を持つことを知らずフェルンに送ったシュタルクに対し、フェルンは「バカですもんね」と辛辣な顔でぽつり。普段よりもトゲのある言葉に、さすがのシュタルクも涙を浮かべ、その後の会話は敬語で受け答えしていた。

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