『ブラック・ジャック』実写ドラマでドクター・キリコが女性に? BJとの相容れない対立シーンを振り返る

BJとドクター・キリコの対立を振り返る

「弁があった!」

 キリコの妹・ユリが、病人の父親を連れてブラック・ジャックの診療所を訪ねてくる。胸を開いて気管の穴をふさぐだけの簡単な手術で済むはずが、どこをさがしてもふさぐべき穴がなく、有名な医者やキリコでさえもお手上げだった。

 「オヤジを救う道はただひとつ……オヤジに安楽死をさせてやることなんだ」「助からない病人を救う道……それはらくに死なせてやることじゃないか?」と自らの信義を振りかざすキリコをよそに、ブラック・ジャックは四度目となる切開を行う。原因が”弁”だとわかり、助かる見込みが見えてきたのも束の間。キリコが先立って注射した毒により父親は死んでしまうのだった。

 ブラック・ジャックから「殺し屋」と呼ばれ非難されるキリコだが、今回彼は父親のために五年間あらゆる手を尽くしており、さらには「おれだって人の子だ 助けられるなら助けたかった」と胸の内を吐露している。結局は自分の信条にのっとり安楽死を決行してしまったが、キリコの医者としての人情を感じられた回である。

 キリコはこのほかにも「恐怖菌」「最後に残る者」「99.9パーセントの水」「死への1時間」「小うるさい自殺者」などに登場。連載開始50周年の節目となる本ドラマでは、原作から選び抜かれた有名エピソードを凝縮、その真髄を深くきわめる内容となっている。彼らの対決は見られるのか、放送を楽しみに待ちたい。

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