『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』公開直前 「烏野 vs 音駒」の闘い、なぜこんなにも注目される?

攻撃VS守備ーーコンセプトの戦い

 烏野高校の持ち味はなんといっても攻撃意識の高さだ。リベロを除く全員が攻撃に参加するシンクロ攻撃、天才セッター影山から繰り出される超正確なトスワーク。相手ブロックを手玉に取る日向の神出鬼没の速攻。パワフルなスパイクでチームを牽引する東峰、思い切りの良いスパイクとメンタルの強さでチームを鼓舞する田中、攻撃偏重な烏野の中にあって安定した守備でチームを支えつつ自身も積極的に攻撃参加する主将、澤村。冷静に相手の攻撃を見極める烏野ブロックの要、月島。選手間で共通のコンセプトは攻撃意志。殴り合いを制することを信条とするチームだ。

 対して音駒高校は対照的な守備のチームである。コート内の全員が正確なレシーブでボールをセッターに供給する、まさに「音駒品質」といった高い守備力と粘りが特徴だ。突出して目立つスタープレーヤーがいるわけではないが、気がつけばジリジリとペースを持っていかれている試合巧者だ。そして冷静に戦況を見極めトスを供給する孤爪研磨がチームの脳としてゲームをコントロールする。最強の矛と盾が対峙したらどちらに軍配が上がるのか。そんな観点からこの一戦に注目するのも面白いだろう。

 作中の猫又監督の言葉を借りるなら「烏野と戦うことを目標に全国へ来た訳じゃない。ただ少しだけ、この試合を楽しみにしている人間が多いだけだ」。全国制覇を目指す道半ばで巡り合った両校。今や2校の物語を知っている全国の大勢の『ハイキュー!!』ファン達がこの戦いを楽しみにしている。ぜひ劇場でゴミ捨て場の決戦の行方を見届けて欲しい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる