『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』公開直前 「烏野 vs 音駒」の闘い、なぜこんなにも注目される?

 高校バレーボールを題材に週刊少年ジャンプで2012年から2020年に渡り連載され、連載終了後も多くの読者から熱い支持を受けているバレーボール漫画の金字塔『ハイキュー!!』(古館春一)の劇場版が遂に2024年2月16日に公開される。

 映画本編では主人公の2人、日向翔陽と影山飛雄が所属する烏野高校と長年に渡るライバル関係にある音駒高校がいよいよ全国の舞台で対峙する様が描かれる。本記事ではそんな2校のこれまでの闘いの歴史を振り返っていきたい。

50年以上に渡るライバル関係

 両校の関係は古い。烏野高校の監督を長年務めていた烏養一繋(うかいいっけい)と音駒高校の監督、猫又育史(ねこまたやすふみ)の出会いは2人が中学2年の頃にまで遡る。練習試合でたまたま対戦した2人はそれ以降、何度となく練習試合や公式戦でぶつかるも、猫又が中学最後の大会を前に東京に引っ越してしまったことでしばらく接点を失う。しかし、巡り巡って高校2年時の全国大会で再び2人は再会する。しかしお互いのチームは対戦することは叶わず、それぞれ敗退してしまう。

 その後、2人が共に母校のバレーボール部のコーチをしていることを知り、ことあるごとに練習試合を組むようになる。両チームの戦いは「カラス」と「ネコ」の戦いであることから「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれた。その後数十年間、全国の舞台で相まみえることを目指すも、遂にその舞台は実現することはなく、烏養と猫又はチームの監督を引退することになる。

待ち焦がれた「負けたら即ゲームオーバー」の試合

 日向達の代になり、烏野は烏養一繋の孫、烏養 繋心(うかいけいしん)がチームの指揮を取ることになり、2年前に監督に復帰していた猫又との関係性が再び繋がり、久しぶりに練習試合を組むようになる。練習試合では音駒の方が勝率が高く、烏野が追いかける格好だが、お互いに切磋琢磨することで更に両チームは成長を遂げていった。

 音駒の正セッターでチームの頭脳であり心臓、ゲーム好きで普段はあまりやる気を前面に出さないキャラクターの孤爪研磨は、いつも自由で面白いプレーをする日向に興味を持ち「負けたら即ゲームオーバーの試合」をやってみたいと呟く。それは即ち、練習試合のように「もう1回」がない試合。全国大会の公式戦で試合をしたいという意思表示だ。その後、烏野は見事春高全国大会の切符を掴み、音駒もまた出場を決めた。両校が紡いできた歴史が遂に公式戦の舞台で重なることとなる。

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