よしながふみ、荒川弘、和山やまの作品も マンガ大賞2024ノミネート全10作品を解説

マンガ大賞2024ノミネート全10作品を解説

 『女の園の星』が2021年から2023年まで3年連続でノミネートされた和山やまだが、今回は「マンガ大賞2021」にノミネートされた『カラオケ行こ。』の続編『ファミレス行こ。』がノミネートとなった。合唱部に所属していてヤクザにカラオケを指導した中学生の岡聡実が、大学生になって上京してアルバイトを始めたファミレスに来る人たちと交流する様子を描く。映画『カラオケ行こ。』も公開されて注目のシリーズだけに人気を集めそうだ。

 『平和の国の島崎へ』は、子供だった頃に国際テロ組織に拉致され、戦闘工作員となって生き延びた島崎真悟という男が、組織から脱出して故郷の日本に帰ってきて平穏な暮らしを送ろうとするが、組織の追っ手が迫る中で選択を迫られる。平穏な日本と紛争に明け暮れる世界とのギャップを強く感じさせられる作品だ。

 『鋼の錬金術師』で知られ、『銀の匙 Silver Spoon』でマンガ大賞2012を受賞した荒川弘が新シリーズ『黄泉のツガイ』で12年ぶりにノミネート。大自然の中で野鳥を狩って売らしていた少年ユルと、双子の妹で兄とは違った境遇にある少女アサの関係を軸にして、ユルの戦いと冒険を描いていく。同じ作者の2度の受賞は過去になく、初の2冠に輝くかが関心の的となりそうだ。

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