人気サッカー漫画の監督『GIANT KILLING』達海猛の年俸はどのくらい? 実在の監督から考察

 野球とサッカーは頻繁にスポーツ漫画の題材になるが、漫画の劇中で選手の年俸が明らかになることはほとんどない。ましてや監督となると、ほとんど触れられていないのではないだろうか。  漫画においてもプロ野球の監督が主人公の例はこれといった例が見当たらない。

  一応、『野球狂の詩』の岩田鉄五郎がいるが、『野球狂の詩』は群像劇の要素が強く、鉄五郎が主人公といえるか微妙なところである。さらにいうなら、彼は選手兼任のプレイングマネージャーであり、純粋な指導者ではないのでサンプルとしては不適当だろう。

 監督が主人公の野球漫画はそれ以外、筆者の知る限りアマチュア野球の監督ばかりである。今回は、サッカー漫画の監督にはどのぐらいの年俸を稼いでいるのか、実在の監督と比較して推定を試みてみよう。

■達海猛(GIANT KILLING)推定年俸:約1億円

  野球漫画の監督にはないものの、サッカー漫画には好例がある。

  本格派サッカーマンガ『GIANT KILLING』だ。同作の主人公・達海猛は新人監督で、35歳の青年監督である。イングランドの5部リーグで監督をしていたが、要請をうけて帰国し、弱小クラブのイースト・トーキョー・ユナイテッド(ETU)を立て直すために奮闘する。サッカー界では、30、40代の若い監督を見ることが珍しくない。

  世界的なビッグクラブ・アーセナルで指揮を執るミケル・アルテタ氏は1982年生まれで、アーセナルの監督就任当時まだ37歳だった。

  「居酒屋解説」と揶揄される松木安太郎氏はヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ1969)の監督就任当時35歳だった。成績不振により解任されたハンジ・フリック氏に代わり、ドイツ代表の監督に就任したユリアン・ナーゲルスマン氏は1987年生まれで代表監督就任時36歳。ブンデスリーガのホッフェンハイムで監督としてのキャリアをスタートさせた時点ではなんとまだ28歳だった。今のところブンデスリーガ史上最年少の監督である。しかも、ナーゲルスマン氏は選手としてはユース(育成組織)どまりでプロ経験がない。

  こうして現実世界を見ると、35歳の達海は格段に若い部類には入るが、非現実的なほど若いわけではないことがわかる。『GIANT KILLING』はリアル路線の最前線を行く作風であり、設定にもかなり現実味がある。

  J1の監督で、調査時点で最も高年俸なのは2021年から横浜F・マリノスの指揮を執っているケヴィン・マスカット氏で年俸は約1億円とのことだ。

  50代で指導歴も長く、上位クラブのマリノスを指揮しているマスカット氏と達海ではもちろん比較にならない。近いのはJ1中堅~下位クラブの若手監督だろう。経歴的に近いのは2022年からサガン鳥栖の指揮を執っている川井健太氏、2021年から湘南ベルマーレの指揮を執っている山口智氏あたりだろうか。

  1981年生まれの川井氏は40代前半、1978年生まれの山口氏は40代半ばで年代的に(比較的にではあるが)達海に近い。鳥栖はJ1の中位から下位が定位置で、湘南は過去10年で2度のJ2降格を喫している。チームの立ち位置もETUに近い。比較対象としては妥当、もしくはそれほど不適当ではないはずだ。推定年俸は川井氏・2000万円、山口氏・3500万円なので、達海の年俸がこの二人より上ということは無いだろう。

  他にも監督ではないが『キャプテン翼』のロベルト本郷や『アオアシ』のエスペリオンユースのヘッドコーチである伊達望。ブルーロックの全権コーチである絵心甚八なども今後検討材料があるならば検討していきたい。日本フェザー級チャンピオンまで到達した幕ノ内一歩(『はじめの一歩』・ボクシング)、現役時代に女子世界ランク7位まで到達した上條紗季(『BREAK BACK』・テニス)、全英オープンで準優勝している沖田圭介(『風の大地』・ゴルフ)など、検討してみたい例が他競技にもいるがキリがないのでこの辺で筆を擱くとしよう。いずれの機会に譲りたい。

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