『ブルーロック』凪誠士郎から目が離せない サッカーシーンを駆け上がる天才に迫る

『ブルーロック』凪誠士郎の魅力

 「青い監獄」と呼ばれる施設に招聘された300人の才能の原石がふるいにかけられ、世界1のストライカーを生み出す為に生き残りを掛けたサバイバルレースが展開されるサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。多くの選手達が闘志を前面に押し出すプレーを見せる中で、凪誠士郎(なぎ・せいしろう)は一見情熱とは無縁の存在だ。

 ブルーロックプロジェクトに参加するまでのサッカー歴は僅か半年。同級生であり盟友の御影玲王(みかげれお)に誘われサッカーを始め、すぐにその才能を開花させる。性格は超がつくほどの面倒くさがり。ことあるごとに「面倒くさい…」と呟いている。そんな無気力さ加減が漂う凪であるが、いざピッチに立てば卓越したトラップ技術とサッカーセンスで他を圧倒する、まさに「天才」という異名が相応しいプレーヤーである。

凪誠士郎の代名詞、超絶トラップ

 そんな天才、凪の代名詞といえばやはり超絶怒涛のトラップが1番に挙げられる。トラップとは、飛んできたボールを身体の一部で受け止め、次の動作に入りやすい位置に置く一連のプレーを指す。ファーストタッチとも呼ばれるサッカーの基本動作の1つであるが、1試合あたり約2分程しかボールに触れる時間のないこのスポーツにおいて、いかに重要なプレーであるかを凪自身が体現している。

 まるでそこに重力が存在しないかのような無重力トラップ。さらには相手の発想を置き去りにする背中トラップ等、相手ディフェンスの度肝を抜くファーストタッチで魅せるシーンもが幾度も作中では描かれている。

 そして卓越したトラップ技術といえば、元日本代表の小野伸二や、イングランドの名門アーセナルやオランダ代表でプレーしたデニス・ベルカンプを思い浮かべるサッカーファンも多いことだろう。彼らもまた、完全にボールの勢いを吸収し、意のままにボールを操りながらマークマンを瞬時に無力化することができる、トラップ技術に秀でた選手達だ。激しくボールや選手達が流動するゲームの中で、彼らがボールをトラップする瞬間は一瞬の静寂に包まれたように「凪」が訪れたような感覚を覚えるのだ。

 ちなみに作中で凪がチームメイトの千切豹馬に誘われ、小野伸二やベルカンプのトラップ動画をベッドに寝転がりながら仲睦まじく観るシーンが登場するのでぜひ探してみて欲しい。サッカー歴が短いこともあり、実在の選手に疎い凪であるが、この動画をみた後、小野伸二やベルカンプのプレーに影響を受けている可能性は大いにあるだろう。

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