冨樫義博が明かした『HUNTER×HUNTER』のエンディング 「9割の読者が否定する」Cパターンへの期待

 池のほとりで釣りをしている、「ギン」という少女。見事に池の主を釣り上げ、彼女は母親に「これでもう二度と私にハンターになれとか言わないでしょ!」と一言。有名なハンターだった「ゴンじい」が思い出話をするとき、「大ばぁば」がさりげなく席を外していることを気にかけており、自分は人を待つのも待たせるのもまっぴらだ、という考えのようだ。ギンは一人の少年とともに、嬉しそうにみんなに振る舞うための料理を始める。

 そして、視点は島から飛び立つ一羽の鳥に切り替わる。ここからは冨樫氏の言葉を引用するが、「鳥の下には、どこかの街。様々な人々。誰かの息子/誰かの娘/誰かの孫が色々な場所で暮らし、誰かと笑顔を交している。それはあのキャラの子どもや、あのキャラの孫かもしれない。鳥が空の彼方へ飛び去る」ーー鳥を見送る「誰かの後ろ姿」が、最後のシーンになるようだ。

 美しいエンディングだが、これが「選考漏れ」の第4候補。エッセンスが残ることはあっても、この結末が漫画化されることがなくなったことは少し残念だが、そもそも「未完」で終わることが読者にとっての「最悪の結末」かもしれない。冨樫氏が抱える体調不良が改善し、心身ともに絶好調の状態で、読者を挑発するように「Cパターン」のエンディングを突きつけてくれることに期待したい。

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