『SPY×FAMILY』アーニャと超能力者の大先輩・斉木楠雄 比較してわかった共通点と意外な相違点
実際にテレパシーが使えたら?
最後は自分自身に問いかけてほしい。もしテレパシーが使えたとしたら、どのような気持ちになるのだろうか。私は子どものころは「テレパシーがほしい。他の人の気持ちが知りたい」と思っていたが、大人になるにつれてこれほど恐ろしい能力はないのではないかと思えてきた。聞きたくもない心の声ですら耳に入ってくるのである。現実の世界では、たった1回のすれ違いで相手の気持ちを知ってしまい、人間関係が壊れることもありうるだろう。
楠雄とアーニャの場合、フィクションということもあってふたりに対してのネガティブな感情がテレパシーで伝わってくることは少ないが、もちろん皆無ではない。また、現実の世界ではテレパシーによって人が救われることは稀だろう。楠雄とアーニャが、人助けのために超能力を使うことが多々あるのは注目したいポイントである。
『斉木楠雄のψ難』と『SPY×FAMILY』、作品のジャンルやテイストは異なるが、超能力者ふたりを比較してみると、今まで気づかなかったことが見つかり、この2作を読む楽しさが増すはずだ。
※トップ画像:コトブキヤ「SPY×FAMILY アーニャ・フォージャー & ボンド・フォージャー 1/7スケール 完成品フィギュア」©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会