漫画やフィギュアなどの貴重なコレクション 勝手に捨てられる悲劇を防ぐには?

 大切なコレクションをいかに守るか? これはコレクターのみならず、アニメファンや漫画好きにも共通する大きなテーマと言える。

 子どものころ、大切にしていたゲームソフトや漫画、おもちゃなどを親に捨てられてしまい、号泣した経験をもつ人も多いのではないだろうか。親とのトラブルは永遠に続く問題のようで、Twitterを見ると、「テストの点数が悪かったので親にフィギュアを捨てられた」などのトラブルを報告する学生もいる。また、夫婦間のトラブルが発展してコレクションを処分されたという話も聞く。

 コレクターにとって、コレクションは命の次に大事なものだ。『ラブライブ!』などのアニメに“推し”がいるという人なら、推しのグッズはかけがえのないものだろう。貴重なコレクションをある日突然勝手に処分され、失ってしまうという悲劇を生まないためには、いったいどうすればいいのだろうか。

1・普段から家族との関係を良好にしておく

 これがもっとも基本な気がするが、これがなかなか思うようにできないのがコレクターの悩ましい点である。「がらくたを早く処分して!」という夫婦喧嘩は、「開運!なんでも鑑定団」の放送開始当初からあるお決まりパターンだが、当事者になってしまうと笑えない大問題である。

 コレクションは金がかかるうえに、置き場を取る。そのためには家族の理解は欠かせない。せめて、「配偶者に無断で高額な品物を買わない」「結婚記念日には家族でディナーに行く」などして、周囲の理解を得られるように努めよう。

2・離れた実家にコレクションを置かない

  コレクションを紛失してしまう要因のひとつが、引っ越しと言われている。引っ越しの最中に紛失することもあれば、進学や就職などで実家から離れて暮らしているうちに、親に勝手に処分されたというケースもある。

  特に後者は意外に多いトラブルだ。特に、進学で一人暮らしを始めるという学生や、単身赴任で実家から離れることになるサラリーマンは要注意である。一番確実な予防策は、とにかくコレクションを引っ越し先にも持っていき、手元に置いておくことである。すべて持っていくのが大変という人は、貴重で二度と手に入らないような品物はだけでも持っていくといい。

このパターンは、親に悪気がないことも多いため、余計に困る。「あなたが帰ってくる日のために部屋を片付けておいたわ!」という親の親切心が、「余計なことをしやがって!」という親子喧嘩に発展してしまっては、悲惨としか言いようがない。

何を隠そう、筆者も10年以上前に祖父が終活をした際、自身の骨董品などと一緒に、誤って私が実家に置いてあったコレクションを処分されてしまったことがある。知ったときは唖然としたのだが、さすがに怒りようにも怒れなかった(祖父はすでに亡くなっている)。その後、運よく買い戻せたものもあるが、いまだに買い戻せていないものもある。繰り返すようだが、貴重なコレクションは手元に置いていくようにしたいものである。

3・段ボールに入れるときは品名をちゃんと書く

 段ボールは非常に便利なものだが、どこに何を入れていたのか分からなくなってしまったり、間違ってごみと一緒に処分されやすい。特に、引っ越しの際、処分するものに紛れて誤って捨ててしまうケースが少なくない。

  段ボールにコレクションを入れておく際は、しっかりと箱に品名を大きく書いておくようにしたい。また、しっかりコレクション用の段ボールは分けておくようにしよう。部屋にゴミが溜まってしまい、コレクションを埋もれさせているコレクターは意外に多いのだ。

4・コレクションの価値を伝えておく。

  コレクションの価値がわからないがゆえに、勝手に捨てられてしまうということもよくある。ダイヤなどの宝石やロレックスなどの高級腕時計なら何となく高そうとわかるのだが、漫画・アニメやおもちゃなどのコレクター界隈では、一般人に価値がまったく理解できないものがとんでもなく高額だったりするのは、あるあるなのだ。。

  例えば、筆者自身のコレクションをディスるようだが、古い雑誌や漫画本は価値がわからない人にとっては廃品回収に出す資源ごみであろう。悲しいことであるが。

  買い戻すのが困難な貴重なコレクションを持っている人は、日ごろから周囲との対話が欠かせない。例えば、具体的に価値の高さを伝えておくのも大切だ。人は価値がわかれば、粗雑に扱わなくなるものである。「鑑定団」でも、びっくりするような高額の鑑定がされ、今まで敵視していた家族の見る目が変わった例があることからも、よくわかる。

  人によっては、黙って高いものを買ったことがバレる場合もあるわけで、痛し痒しである。しかし、本当は高いのに「安く買ったもの」と奥さんに伝えていたせいで、本当に安物と勘違いされて悲しい悲劇につながった例を知っている。嘘をつかず、正直に伝えた方がいいと思う。

  なかなか日本ではコレクターの地位が高いとは言えない。誰かすごい海外のインフルエンサーが、「コレクターは尊い」などと広めてくれないかと日々思ったりしているのだが、なかなか難しいだろう。コレクションはコレクターにとって生きがいであり、分身だ。周りへの配慮も忘れないようにして、コツコツとコレクションに励みたいものである。

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