日本漫画家協会オークションで落札した高額サイン色紙  劣化させないにはどうしたらいい? 額縁専門店で聞いてみた

■漫画家のサイン色紙を飾りたい!

 大きな話題となっている日本漫画家協会のサイン色紙オークションでは、ついに400万円近い高額落札が飛び出すなど、より反響を呼んでいる。また、落札後に森川ジョージがメインスピーカーを務めるツイキャスは、毎回豪華なゲストが登場し注目されている。

 特に、森川とつくしあきひとのトークは掛け合いの漫才を見ているようでとても楽しい。実際にオークションに入札している人も、そうでない人も楽しめるのが、今回のオークションの魅力といえるだろう。

 さて、入金を終えた落札者のもとにはすでに色紙が届き始めているようだ。筆者もこのたび、念願だった里中満智子の色紙を落札することができて、大満足である。

話題の日本漫画家協会オークションで、里中満智子の色紙を52万6000円で落札! 到着までを完全レポート

筆者が落札した里中満智子の『天上の虹』の色紙。額田王が描かれている。


 言わずもがな、漫画家の色紙は一点ものであり、日本が世界に誇る美術品と呼ぶにふさわしいものだ。そうした貴重な逸品はどう保存しておくべきなのだろう。

 結論から言えば、保存を考えるなら、湿度が適正に管理されている暗室や防湿庫に入れておくのが最適だ。飾る場合も実物ではなく、コピーした複製を飾っておくほうが変色などの劣化は防げる。とはいえ、やはりコピーでは味気ないし、しまい込んでおくのももったいない。実物を額に入れて飾りたくなるのはファン心理というものだ。いったいどうすればいいだろうか。

 そんな時は、額縁を扱う専門店に相談するのがおすすめだ。絵の退色や、紙の経年変化を防ぐ特別な額を注文することも可能という。参考になればと思い、筆者が実際に専門店で額をオーダーしてみることにした。

■お金をかけるなら見えないところに

 今回訪問したのは、千葉県大網白里市ある画材・額縁専門店『フレーム』だ。大網駅から歩いて約15分、閑静な住宅街に店舗がある。

 迎えてくれたのは久永隆夫工房長である。額を製作する職人でありながら、自ら絵を描き、デッサン教室の講師も務めている。また、娘の久永フミノはイラストレーター、画家でもある。実は、筆者は久永フミノに過去にイラストの仕事を発注した縁で、色紙の落札を話したところ、「ぜひ私の店で作らせてください!」と連絡をもらった。それならばと、相談に行くことになったのである。

右から、久永隆夫工房長とイラストレーターでもある久永フミノ。店内には画材のほか、額のサンプルが所狭しと並ぶ。フレームは自社の工房があるため、顧客のきめ細やかな依頼に対応できるのがウリだ。


 そもそも、色紙用の額はどのくらいで購入できるのだろうか。

 「一般的な色紙の額はホームセンターでも売っていますし、当店でも3千円くらいから購入できます。対して、オーダーメイドの額は、3万円、5万円、10万円など青天井になっていきますので、まずはご予算と、どんな作品を飾りたいのかというイメージを先に伝えていただければと思います。棹(額の縁の部分)のデザインをゼロから起こすことも可能ですし、既製品の棹を使ったオーダーなら、だいたい10日間くらいで仕上がりますよ」

 額といえば、棹のデザインを凝るのが一般的である。久永工房長はむしろ、中身の作品と直に触れるような、見えない部分にこそこだわってほしいと話す。

 「額に入れたら安全なのではありません。額に入れたまま放っておくと、かえって作品の劣化を速めてしまうこともあります。マットボードと呼ばれる台紙の内側の縁、すなわち色紙と接触する部分から化学反応がおき、劣化が進むこともあります。長く壁に飾っておくのであれば、この接触する部分に特殊なフィルムを取り付けることがおすすめです。棹のデザインは、その次ぐらいに考えてほしいですね(笑)」

オーダーの際には、色紙の原寸大のコピーを持っていくのがおすすめ。仕上がりがイメージしやすくなる。マットボード(黒い部分)や、棹のサンプルも豊富にあるため、コピーに当てながら理想の額を作り上げていきたい。
棹の選び方で作品のイメージはがらりと変わる。また、飾る部屋の雰囲気に合ったものを選ぶことも大切だろう。

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