アニメ第2期放送中『カノジョも彼女』の漫画家・ヒロユキ 人気作となった要因は、超高級腕時計?

ヒロユキ、高級腕時計の関係性

 『カノジョも彼女』アニメ第2期が10月6日から放送中だ。『カノジョも彼女』は『ドージンワーク』『アホガール』などの代表作をもつヒロユキによる漫画が原作で、ヒロユキの漫画では4作目となるアニメ化作品である。漫画は「週刊少年マガジン」で2020年から連載が始まり、2023年に完結、単行本は16巻まで刊行された。

2020年から連載が始まった『カノジョも彼女』もついに完結。最終巻となった16巻の表紙

  ラブコメ漫画が多く連載されている「マガジン」の中でも、『カノジョも彼女』は異色の存在である。第1話で、主人公が交際相手とは別の女の子から告白され、断り切れず、二股をかけようと考える。通常であれば愛憎劇に発展しそうなストーリーなのだが、そうならないのがヒロユキらしい。

ラブコメでもあり、ギャグ漫画でもある異色の漫画は、なぜ生まれることになったのか。その経緯の一端が記された本『アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果 5000万円の借金をつくった話』が10月11日に発売された。その表紙には『カノジョも彼女』の星崎理香(ミリカ)によく似た、金髪で、ツインテールのキャラが登場している。

  腕時計は非常にマニアックな分野であり、漫画ファンにはどこかとっつきにくいイメージがあるかもしれない。しかし、漫画ファンも注目したい一冊である。ヒロユキは、Noteで、腕時計にハマったことで漫画を描く気力がわいてきたと証言している。そして、その気力によって生まれた漫画こそが『カノジョも彼女』だからなのである。

 漫画家あるあるだが、長く仕事を続けていると、どうしても仕事に臨む気力が起きなくなる時期がある。ヒロユキはコロナ禍が始まる前には既に3作品がアニメ化されており、漫画家として成功を収めていた。そうした立場ゆえの、複雑な悩みも抱えていたようである。

  そんなとき、ヒロユキが興味を持ったのが腕時計であった。ヒロユキはロレックスを手にして以降、高額腕時計を買いまくっていく。『カノジョも彼女』の連載を開始し、全身全霊をこめて描き上げ、完結させることができたのも、ひとえに腕時計を手にしたいという強い動機があったためらしい。

 『カノジョも彼女』は腕時計なくしては生まれなかった漫画といえるだろう。そういう視点で見ると『アニメ化4作品のマンガ家が腕時計にハマった結果 5000万円の借金をつくった話』の表紙に描かれた、ミリカっぽい女の子の笑顔も、なんだか意味深なものに思えてくる。この秋は、漫画とエッセイ、そしてアニメの合わせ技で、深淵なるヒロユキワールドに浸ってみてはいかがだろう。

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