『スキップとローファー』から『かぐや様は告らせたい』まで、“文化祭編”が神なマンガを考察

『スキップとローファー』から『かぐや様は告らせたい』まで、“文化祭編”が神なマンガを考察

『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』赤坂アカ

 最後に紹介するのは、もはやキングオブ学園ラブコメといっても過言ではない『かぐや様は告らせたい』(赤坂アカ)。名門校・秀知院学園の生徒会を舞台に、副会長・四宮かぐやと生徒会長・白銀御行が「どうしたら相手に告白させられるのか? 」と“恋愛頭脳戦"を繰り広げる物語。

 どう見ても相思相愛にも関わらず、お互いプライドが高いゆえに告白することができない。ならば、どうにかして相手から告白させようと知略をめぐらす2人の姿は良い意味でバカバカしく、なんだかずっと見守っていたい愛おしさで溢れている。だが、単行本12~14巻に収録されている文化祭編で、この2人の関係性はもちろん、間に流れる空気感が大きく変化する。

 12巻で、文化祭「奉心祭」の最終日までに「四宮から告られなかったら、俺から告る」と決意する白銀。一応生徒会長であるため、文化祭の準備といった多忙な日々を送りながらも、告らせるためのプランを練る。一方のかぐやは、「奉心祭」にまつわる伝説を知り、さらには白銀への恋心を自覚していく。

 文化祭マジックとはこのことか......!  と言いたくなるほど、12~14巻で急に全てが動き出すが、2人の恋愛模様だけではなく、コスプレ喫茶やお化け屋敷といった文化祭ならではのギャグ回や、学園全体を巻き込む騒動まで勃発。なんだか、読者も一緒に文化祭に参加しているかのようなお祭り感で心が踊る。

 そして、なんと言っても14巻に収録されている、文化祭のクライマックスとも言える、とある見開きのシーン。間違いなく『かぐや様は告らせたい』という物語において、大きな転換点となっている上、思わずガッツポーズをしたくなるような高揚感がそこにはある。

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