『呪術廻戦』第30話「そういうこと」はなぜ屈指の人気エピソードに? 虎杖らの日常と恋模様に注目
五条悟の懐玉、夏油傑の玉折が描かれたTVアニメ『呪術廻戦』第2期。8月24日に新PVが公開され、渋谷駅周辺で繰り広げられる大規模な闘い「渋谷事変」の幕が空ける。
渋谷事変への期待が高まるなか、8月31日に放送される第30話(第2期・第6話)「そういうこと」は虎杖たちの日常が描かれるエピソード。原作はコミックス8巻の第64話であり、SNSなどで多くの感想が投稿されている人気の高い1話だ。なぜ本エピソードがファンから支持されているのか、考察したい。
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放課後を楽しそうに過ごす釘崎や伏黒たち
京都校との交流会を終えた釘崎が出会ったのは中学時代の虎杖とクラスメイトだった少女・小沢優子。中学時代の彼女は肥満体系であったものの、中学校を卒業した現在は長身で細身の女性となっていた。そんな彼女は虎杖に恋心を抱いていて……。
激しい戦闘の末に主要人物が死亡したりなど、シリアスな展開も多い本作において8巻・第64話「そういうこと」は数少ない日常が描かれる1話。本エピソードでは伏黒恵や釘崎野薔薇たちの楽しそうな様子を目にできる。
虎杖の好みを調査するため釘崎から急に呼びつけられた伏黒。彼はファミレスに到着するや否や「おい/なんなんだよ」と口にしながら不機嫌そうな態度を見せる。しかし小沢の境遇を知ると「つまり/そういうことか⁉」と発し、驚きの表情を浮かべた。
釘崎や伏黒の協力もあり小沢は虎杖との再会を果たす。小沢を目にし開口一番に発した虎杖の言葉を耳にした伏黒は、本を読み興味なさそうな表情をしているものの、まるで体操競技の採点をするかのように「10」と書かれたパネルを挙げた。
そんな伏黒と同じく虎杖への恋心を抱く小沢に驚いたり、深刻そうに伏黒へ虎杖の好みを聞き出したりなど、伏黒に負けないほどに釘崎もさまざまな表情を見せる。
現に本エピソードの感想には伏黒のノリの良さなど、普段とはひと味ちがう釘崎たちの姿に歓喜する声が挙がっている。呪術師でありながら、ごく一般的な高校生と変わらない、高専1年生組の楽しそうな様子を目にできる点が「そういうこと」が支持される理由のひとつだ。
浮かび上がる3人の親密な関係
本作の数少ない日常回「そういうこと」では虎杖たちの楽しそうな様子とともに、3人の関係を感じることもできる。
釘崎は虎杖を呼びつける際にLINEのようなチャットツールを用いるのだが、最初に送信したのは「おい」というメッセージとファミレスの住所、そして「来い」。虎杖から「?なんで?」と返信が届くものの、すぐさま再び「来い」と送信すると虎杖から「了解」と届き、虎杖はファミレスまで駆けつけた。
一連の流れを見ていた小沢が「……淡泊ですね」と突っ込むほどに、ふたりのやり取りは淡泊なものであろう。しかし過剰に気を遣わないやり取りは親密な関係を示すものではないか。釘崎から急に呼びつけられ、すぐさま駆けつけた伏黒・虎杖からも3人のたしかな親しさを感じる。
3人の楽しそうな様子、そして3人の親密さを味わえる貴重なエピソードだからこそ、3人の苦悩や葛藤を知る読者を中心に第64話「そういうこと」は支持されているのだ。