SEVENTEENドギョム、Stray Kidsリノが愛読  『今日はこのぐらいにして休みます』が与えてくれる“心の休息”

SEVENTEENドギョムら愛読のエッセイ

 「今日は休みます」と、自分のタイミングで言えたらどんなに幸せだろうか。頑張りたい時には頑張り、休みたい時に休む。そのメリハリがついてこそ私たちの人生は充実したものになる。しかし現実は、なかなか思い通りにはならない。

 それは社会そのものの大きな流れから、周囲の小さなコミュニティの空気、そして自分自身の感情の波まで、折り合いをつけなければならないものが、幾重にも層になって漂っているから。

 ましてや、パンデミックによって世界が大きく変わってしまった今、どんなペースで頑張ればいいのかと、今一度迷っている人も少なくないのではないか。頑張るためには休息を取る必要がある。そうはわかっていても、上手く休むことができないのも、またひとつの悩みになる。

 そんなとき、読むと心が軽くなる本がある。そのタイトルはズバリ『今日はこのぐらいにして休みます』(飛鳥新社)だ。著者は日本と韓国にルーツを持つソン・ヒムチャン(緒方真理人)。少々ネガティブな見方をすれば、日本の同調圧力を強く感じる息苦しさも、韓国の過酷な競争社会に対する疲弊感も、どちらも知っている人だ。

 この本は彼自身の生い立ちを語ったものを含めて82のエッセイで構成されており、休息の大切さはもちろん、自尊心について、誰かを愛することと同時に人との適正な距離を取ること、そしてどうしようもなく襲ってくる感情のうねりとの向き合い方……など、生きにくいと感じる毎日に対して、ちょっと視点を変えるヒントを教えてくれる。

 それも「これが正解」と押し付けるわけではなく、「私の考えが少しでも助けになれば」という温度感も心地よい。ともすれば真面目な人ほど、休むことさえも“一生懸命にやらなければ“と思ってしまいがちだが、そうした強迫観念からも開放してくれる。そんな柔らかな時間が読み進めるほどに流れるのを感じるだろう。

SEVENTEENのドギョム「頭がすごくスッキリして浄化される感じ」

 本作は、韓国で累計17万部を突破したベストセラーとなった。注目を集めた大きなきっかけはK-POPアイドルたちにも愛読されていることだった。SEVENTEENのドギョムは、2022年2月28日にファンコミュニティプラットフォーム『Weverse』(https://weverse.io/seventeen/live/4-104693616?hl=ja)にて「深夜本屋」と題して行なった配信で、この本を紹介した。

 もともと、小さいころには父親から「本を読んだらお小遣いをあげるから」と言われるほど「本と仲良くなかった」というドギョム。そんな彼がこの本に惹かれたのは、プロローグの言葉から。「まずは、この本をしばらく閉じ、目をつむってみてください。それだけでも心を落ち着かせる効果があります。それが終わったら、自分の休息を邪魔していることに向かって、次のように言ってみてください。“今日はこのぐらいにして休みます“」と、その一節を読み上げる。

 そして「僕はこれを1回見て、目をつぶって、瞑想らしきものをやってみたのですが、(中略)しばらく何も考えずに過ごすだけで頭がすごくスッキリして浄化される感じがするんです」と語り、配信を聴いているファンにもぜひやってみてほしいと語った。

 また、周囲の言葉にも敏感になってしまう性格だと自己分析した上で「僕はこの本のこの部分がすごく印象深かったです」と紹介したのは、「周囲の評価に振り回されない」の章。聞き流す方法を知っておかないといけないという言葉に共感し、「僕もそういう人になろう」と語っていた。

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