【ONE PIECE考察】黒ひげと共謀するクザンの目的は? SWORDとの戦いの行方を占う
※本稿は『ONE PIECE』最新話のネタバレを含みます。
『ONE PIECE』世界に生きる人間だけでなく、読者も動揺させたコビーの拉致事件。そんな事件を発端に、SWORDやクザンについて新事実が明らかになってきた。
彼らの存在は、今後の物語に大きく影響するだろう。そこで今回はSWORDやクザンに関して、ワンピース研究家の神木健児氏に話を聞いた。
「以前から名前は登場していた『SWORD(ソード)』の詳細が、辞表提出済みの海兵であると明らかになりました。SWORDは言わば半分海軍を裏切っているというか、完全には信用していない海兵の集まりだと思うんですよね。マリンコードを返上していて、構わなくていいからその代わり好きにやるよといった感じなので。やはり海軍の正義が揺らいでいて、客観的に何が正しいのかに疑問を持っている人が現れ始めているんだと思います。そして海賊島にコビーを助けに来た場面で、思った以上にメンバーが多いことにびっくりしました。海軍も一枚岩ではなくなっていて、SWORDの存在は今後の勢力図に大きな影響を及ぼすでしょう。またSWORDではないですが、個人的にTボーンの死には結構衝撃を受けました。ルフィたちと世界政府の戦いが終わった後は、Tボーンやコビー、スモーカーのような自分の正義を持つ海兵が海軍の中心を担うと思っていたんです。クロスギルドはカッコイイですけどあくまでも海賊で、『ONE PIECE』はやっぱり海賊漫画なんだなと改めて思い出しました。ルフィが世界政府を倒しても市民を守る存在は必要で、ルフィはそこを目指してはいません。もしかしたらSWORDが、その中心になるのかもしれませんね」
クザンは海軍の大将を務めた人物のなかでも比較的、良識人のイメージがある。そんな彼が、なぜ黒ひげに加担しているのか。
「クザンは利害の一致で、黒ひげ海賊団に加入しているようでしたよね。1年前くらいから行動を共にしているようなので、やはり市民や関係がない人物にも被害を及ぼしていると思います。実際に海賊島には、何人もの捕らわれた人々がいました。それを見過ごしているクザンが、そこまでして成し遂げたい『目的』は非常に気になります。おそらくこの目的が出来たきっかけは、2つだと思います。1つはオハラでの事件です。オハラへのバスターコールを経て、クザンの正義は『燃え上がる正義』から『ダラけきった正義』に変わりました。2つ目はエースの処刑を執行した、マリンフォード頂上戦争。この2つでクザンは、海軍の正義に疑問を持つようになったのではないでしょうか。そこから純粋に考えると、クザンの目的は『世界の真実を知ること』ですよね。彼はロビンを気にかけていますし、親友であるサウロのこともあります。しかし、だからといって黒ひげの船に乗るかと言われると微妙ですよね。クザンの性格からして、ロビンがいる麦わらの一味に加担してもいい気がします。それでも黒ひげと一緒に行動しているのは、やはり黒ひげ自身に秘密があるのでしょう。黒ひげはまだまだ謎が多い人物です。世界の真実を知るのに、彼が必要不可欠だったのか。また、まだクザンが完全に海軍との繋がりを絶っておらず、スパイとして黒ひげを監視している可能性もあります。もしそうだった場合は、海軍は黒ひげを海賊王に1番近い人物として、相当警戒しているのでしょう」
現状では敵対しているクザンとSWORDの戦いは、どこへ向かうのか。