『ONE PIECE』尾田栄一郎、体調不良で休載 ハードな”漫画連載”は今後も変わらない?

『ONE PIECE』尾田栄一郎、体調不良で休載 ハードな”漫画連載”は今後も変わらない?

 すでに105巻が刊行されている『ONE PIECE』の作者の尾田栄一郎が、目の手術のため「週刊少年ジャンプ」の連載を休載することを発表した。6月6日に発表されたもので、6月19日発売の「週刊少年ジャンプ」29号から休載となる。再開は7月18日発売の「週刊少年ジャンプ」33号を予定しているという。

 尾田は休載にあたり、『ONE PIECE』の公式ホームページに直筆でメッセージを寄せた。「ONE PIECE最終章でわーわーゆうとりますけれども、ちょっと手術したいんですどうしても」「目から…ビームを出す手術をする事になりました」と語りつつ、ひどい乱視が起きていることを報告。「物がぶれて見える」状況と言い、仕事に支障をきたすほどの状況にあると語った。

 この発表を受けて多くのファンが反応。Twitter上には尾田の目の状態を慮るコメントが多く寄せられたが、「休載期間が短すぎる」「もっと長く休んでもいいのでは」「尾田先生には万全の体調で漫画を描いてほしい」などの趣旨の意見が寄せられていた。確かに、わずか1ヶ月の休載であり、ファンを待たせたくない、ファンにすぐに漫画を届けたいという尾田の強い意志を感じられるが、“短すぎる”のは気になる点だ。

 近年、漫画家の体調不良がニュースを騒がせることが多く、『乙嫁語り』などの作品で知られる森薫も手術のために「青騎士」に掲載されている『シャーリー・メディスン』を休載することを決めた。漫画家といえば締切に追われる過酷な仕事というイメージであり、尾田の短すぎる休載から、その大変さを実感させられた人も多いようだ。

 言うまでもなく『ONE PIECE』は現在の「週刊少年ジャンプ」を牽引する漫画であり、長期連載となっているが、何度か休載を挟んでいる。有名なところでは、2010年に原作第1部が終幕した際、新章「最後の海 新世界編」開始を前に4週の休載期間を挟んだ。近年では2020年にも、尾田の急病による体調不良が原因で休載したことがあったが、その後体調は回復し、わずか2号後から再開している。2022年には最終章突入の前に4週の休載を挟んだこともあった。

 ファンとしては一刻も早く新作を読みたい気持ちは大きいと思うが、まずは尾田の手術の成功を強く祈りたいものだ。そして万全な体調で、『ONE PIECE』の続編を執筆して欲しいと、筆者も願っている。

 なお、尾田は現在もアナログで原稿を描いているといわれるが、現在の漫画制作の現場ではデジタルが主流である。漫画家のなり手不足も指摘されているうえ、アナログで制作する漫画家が減少していることから、アシスタントの確保に苦労する漫画家も多いと聞く。尾田のような超売れっ子漫画家は別だが、新人漫画家もアシスタントの賃金は作家持ちであるため、売れるまではかなり支出も多い。漫画家の現場の大変さは、今後も変わらないようである。

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