【漫画】幸せな日々は過ぎ去って……恋人との別れを描くSNS漫画『さよならあの日あの時あの瞬間』が泣ける
――本作の着想、モデルなどがいれば教えてください。
電気こうたろう(以下、電気):11年間同棲して別れた女の子がモデルで、その暮らしのことを描いています。
――反響などはありましたか。
電気:友人が「会社で読んで泣いてしまってしばらく帰れなくなった」と言ってました。
――作品を描く際にこだわったことは何でしたか。
電気:本作をKindleで出した時に「晴れている日ばかりだった11年間に捧ぐ」という序文を付けましたが、思い返してみると本当にそんな生活でしたね。それもあり幸せな日々への感謝の気持ち、それが変わってしまった痛みを表すために明暗をくっきりさせました。具体的に言うと部屋ですね。
回想では気持ちのよい風が通るような1日で猫も元気で幸せで明るい様子ですが、現在では部屋は荒れ、猫の亡くなった遺影が倒れて暗くなっています。日々を丁寧に生きることがふたりの絆だったのに部屋は荒れ放題。ふたりが大事にしていたものがもうそこにはありません。それでも一緒にいたい女の子、そして大事なものはもう消えてしまったと感じる男の子は、この時にはもうすれ違っているんです。
――他の作品では抽象的な描き方もされていますが、ご自分の絵柄についてはどう考えています?
電気:1番素直な気持ちで描けるものにしようと試していたら、この絵柄になりました。抽象的な描き方だったり色々な描き方にチャレンジするのは、やっぱりアートへの憧れが強いからだと思います。
――Twitter音楽にもインスピレーションを受けているようですが、これについてはいかがでしょう。
電気:音楽がないと描けません。音楽を聴くとパッと情景が浮かんで最後まで持っていけるんですよ。その一方で耳が疲れると上手くいかないので、漫画を描くとき以外はなるべく聴かないようにして耳を休めてますね。
――最後にこれから描きたい題材、挑戦したいことなどあれば教えてください。
電気:現在、ファッションのプロジェクト「27」に同梱する漫画を描いているのですが、これが勉強になるんですよ。描く力と幅が広がったので、以前より描き方が変化したスプレー画と物語の作り方で、より面白い仕事をさせてもらえれば。