【漫画】ぜひ当社の天国と契約を……そんな“営業”を受けたら? 胸が熱くなる『ふれあい死神カンパニー 』
「あの世」にも、もっと選択肢があっていい
――『ふれあい死神カンパニー』を制作しようと思った経緯をお聞かせください。
七清水:当時は父が亡くなり、「天国で今ごろ何してるのかな?」なんて空と雲を見ながら空想することが多かったです。そういった空想からイメージが広がり、それを形にしようと思って制作に取り掛かりました。
――どこか漠然と“天国=一カ所”というイメージでしたが、複数の多種多様な“天国”が存在するという設定は斬新でしたね。
七清水:まさに私も“天国=一面の花畑と三途の川”という1つのイメージしか持っていなかったです。ただ、「海外旅行のように、もっとあの世にも選択肢があっていいんじゃないか?」というのがキッカケでした。そのうえで、あの世からの使者というイメージから死神を旅行代理店で働くスタッフとして当てはめました。
――ルーヴェンは可愛らしくもあり怖さもありというデザインでした。
七清水:ルーヴェンの見た目に関しては、お気づきの人も多いと思いますが『DEATH NOTE』のリュークを参考にしたつもりです。
自分自身が言ってほしいセリフ
――ルーヴェンの「『考える事』は良いことだ だけど『考えすぎ』は身体に良くねぇ」「自分を責める行為は美しいが時には他人を責めてみろ」というセリフが印象的でした。こういったセリフもそうですが、本作に込めたメッセージや思いなど教えてください。
七清水:ルーヴェンのこれらのセリフは、「作者の私自身が、誰かに言ってもらいたい」と思って当時セリフを採用しました。私もどちらかというと考えすぎるタイプなので……。人間関係や仕事で、失敗や嫌なことがあった時に基本的には「自分のせい」にして決着をつけるほうが健全で美しいと、私は思います。
――他者責任よりは自己責任で考える人のほうが印象は良いですよね。
七清水:ただ、一人で抱えるには潰れてしまうかもしれないくらいの問題に直面した時くらいは、「思い切って開き直るくらいの勢いで他人のせいにしても良いのでは?」「普段我慢しているアナタだからこそ、その権利があるのでは?」「他人を責めたとしてもアナタの味方になってくれる人が近くにいるのでは?」というメッセージを込めました。
――そのセリフのおかげで夏子の成長を促すことができましたね。
七清水:また、ルーヴェンは夏子と出会うまでは、 自分の営業成績を”他人のせい”にしていた節がありました。ですが、最後のページではタバコを止めて飴を舐めており、夏子と接したことでのルーヴェン自身の成長も描いています。
――『ふれあい死神カンパニー』制作後に『七曜人格症候群』(双葉社)と『殺されて井戸に捨てられた聖女が チート怨霊になりました』(スクウェア・エニックス)を制作され、順調に制作活動を行っている印象です。今後はどのように漫画制作を行っていく予定ですか?
七清水:現在連載している『殺されて井戸に捨てられた聖女がチート怨霊になりました』では私は作画担当をさせてもらっています。初挑戦のことが多く、日々勉強しながら原稿を描き上げている毎日です。同作に携わらせてもらっているおかげで、自分の中で表現できる世界観が広がっていることに自分自身とてもワクワクしています。
また、宣伝にはなりますが、上記の作品の単行本第1巻が先日の4月12日に発売されました。今回の『ふれあい死神カンパニー』をキッカケに私の制作活動に少しでも興味を持ってもらえたら、私のTwitterや、スクウェア・エニックスの各漫画アプリや単行本をチェックしてもらえると嬉しいです。
『殺されて井戸に捨てられた聖女がチート怨霊になりました』
出版社 : スクウェア・エニックス
価格:730円
発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BWY5RJ11?tag=rs014-22&linkCode=osi&th=1&psc=1