『水星の魔女』は“ちいかわみたいなガンダム”!?ーー可愛らしさと不穏さを湛えながら第2シーズン開幕へ

 さらに気になるのは、第四話「みえない地雷」で描写されていたアスティカシア学園のモビルスーツ操縦訓練の内容である。「センサー類を使わず可視情報のみでモビルスーツを操縦し、後方からの指示で地雷を避けながらコースを完走する」「メカニックと連携して、高速で兵装を変更する」といった訓練内容は、専門学校の操縦過程としてはギョッとするほど実戦的だ。

 内容的にはどう見ても戦闘訓練だし、宇宙での戦闘ではなく地上戦を想定している点も気になるところ。地雷が埋められるような土地といえば、現状わかっている限り作品内には地球くらいしかないわけで、地球での戦闘を想定した訓練を宇宙に住むティーンエイジャーたちにやらせていることになる。4話はチュチュ先輩のパンチに全てを持っていかれた感があったが、学園のカリキュラム自体がそもそも強烈に不穏なのだ。

 というわけで、「ガンダムである以上リーサルな戦闘が描かれる可能性が高い」という点に加え、「地球居住者と宇宙居住者の対立」「怪しすぎるプロスペラの挙動」「ヒロインの倫理観がどうやらかなりおかしい」などなど、不穏ポイントはすでに揃いすぎるほど揃っている。第二シーズンは、これらの要素が活きた内容になるのは間違いないだろう。前代未聞の「ちいかわみたいなガンダム」が一体どこにたどり着くのか。毎週気が抜けない日々が、また始まる。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2 予告PV

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる