『海の闇、月の影』『陵子の心霊事件簿』……アラフォー世代のトラウマ、篠原千絵のホラー漫画を再読
子ども時代の思い出にしておくのはもったいない
歳をとると見え方や考え方が変化するので、登場人物やストーリーにかつてと違う感想を持つのは当然のことであり、それは篠原千絵作品に限らない。だからこそ、筆者はかつて手放したコミックスの電子版買い直しと思い出のアップデートがやめられない。とはいえ、子どもの頃は面白く感じたが、今読んだらそうでもなかったと感じる作品があることも否定できない。そういった作品は、楽しい思い出のままにしておいた方がいいのかもしれない。
だが、少なくとも『海闇』にかんしてだけは、再読することで流水の汚名をはらしてやってほしい。子どもの頃に怖すぎて読めなかった人も、改めて挑戦してみてほしいと思う。