『ガンダムZZ』は背景に漂う諦念が持ち味? ギャグテイストの裏にある“大人への諦念”と“子供が戦う矛盾”

『ガンダムZZ』第六話レビュー

 以上の点を考えると、シャングリラコロニーの「山の手」とダマールの描写は、宇宙に人々が移民するような社会になっても人間は格差を作りたがり、持つ者はその立場を利用してさらに儲けようとするという愚かしさを描いたものだ。この一連の描写からは「どうせ人類(の大人)は、いつになっても本質的に変化せず、人間の間にある格差もなくなりはしない」というある種の諦めが感じられる。

 だからこそ、『ZZ』の物語では持たざる子供たちが主人公にならざるを得ない。子供がモビルスーツを使って戦うことがどんなに矛盾を孕もうとも、大人になってしまった人類に期待できない以上、主人公は子供以外にはあり得ないのである。明るくギャグっぽい内容ながら、背景にはビターな諦念も感じられる……それが『ZZ』という作品の持ち味なのだろう。

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