『キン肉マン』新アニメ、声優の変更はあるのか? キン肉スグルを演じてきた神谷明と古川登志夫の存在感

 ゆでたまごによる大ヒット漫画『キン肉マン』のアニメ放送40周年を記念した新シリーズの制作が発表され、ファンからよろこびの声が上がっている。アニメ『キン肉マン』には、1983年4月から放送された第1期、1991年10月から放送された第2期があり、続編の登場は約30年ぶり。関連作品で考えても、最新の作品である『キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE2』の放送が2006年で、17年ぶりとなる。

 詳細はまだ明らかになっていないが、アニメ新シリーズはどんな内容になるのか。参考までに、第1期は根強いファンの多い最序盤の「怪獣退治編」から、人気を確たるものにした二つの「超人オリンピック編」、シビアな戦いに熱が入った「地獄の悪魔超人編」まで、全137話のボリュームで人気エピソードが網羅されていた。さらに第2期は「キン肉星王位争奪編」が全46話でじっくりと描かれ、大団円を迎えている。「第3期」にあたるアニメ新シリーズでは、時系列で順当に行くなら、本編の連載終了から24年を経て、2011年からウェブ連載された「完璧超人始祖編」が描かれそうだ。キン肉マンがキン肉星の58代大王に即位したあと、正義超人・悪魔超人・完璧超人のイデオロギーをめぐる争いが繰り広げられる。

 いずれにしても、タイトルしか知らない新規のファンはもちろん、コミックス最終巻と思われていた36巻から22年ぶりに、不意に発売された37巻以降を読んでいない、というオールドファンにも新鮮な楽しさを提供してくれるだろう。

 一方で気になるのは、第1期、第2期で鮮烈な印象を残しているボイスキャストがどうなるか、というところだ。アニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK』の公開に際して、テレビアニメ版『SLAM DUNK』からのキャスト変更が議論を呼んだのは記憶に新しい。こちらは有料の劇場版であり、発表がチケット販売後になったという経緯があってのことだったが、特に主人公・キン肉マンの声優はファンの思い入れが強く、変更になればすぐには馴染めないかもしれない。

 これまでキン肉マン(キン肉スグル)を演じてきたのは、ご存じ神谷明だ。『シティーハンター』の冴羽獠役でも知られるように、二枚目/シリアスと三枚目/ギャグを同じキャラクターに違和感なく共存させられる天才で、キン肉マンもはまり役のひとつ。また『キン肉マンII世』では、『うる星やつら』の諸星あたる、『機動戦士ガンダム』シリーズのカイ・シデンや『ドラゴンボール』シリーズのピッコロ役などを演じてきた大御所・古川登志夫がキン肉マンを演じており、いずれも揺るぎない存在感だ。若手声優に引き継がれるとしたら、相当なプレッシャーに違いない。

 とはいえ、神谷明と古川登志夫はともに1946年生まれで、76歳の大ベテランだ。SNSでは後任の予想合戦も始まっているが、果たしてどうなるのか。物語の内容とともに、ボイスキャストの発表も楽しみにしたいところだ。

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