『ドラゴンボール』天下一武道会、本戦に3回出場しながら一度も勝利できなかったキャラといえば?
不朽の名作『ドラゴンボール』を象徴する格闘大会といえば、天下一武道会だ。孫悟空とクリリンが亀仙人のもとで修行した成果を出すために出場して以来、主要なキャラクターの多くが出場している。最終話も天下一武道会で終わっているほどで、『ドラゴンボール』のストーリーの骨格の一つと言っていいだろう。
「週刊少年ジャンプ」で『ドラゴンボール』をリアルタイムで読んでいた世代は、誰が勝つのか、ハラハラドキドキしながら過ごしていたのではないだろうか。トーナメント形式の格闘大会は「ジャンプ」のバトル漫画の定番なのだが、天下一武道会が面白いのは読者の予想を覆す番狂わせがある点だ。
そもそも主人公の孫悟空がなかなか優勝しないのである。優勝したのはマジュニア(ピッコロ)に勝ったときで、なんと出場3回目でようやく栄冠を手にしたのである。ちなみに最初の出場ではジャッキー・チュン(亀仙人)に決勝で敗れ、2回目は天津飯にやはり決勝で敗れている。
そんな天下一武道会なのだが、主要なキャラクターで本戦に3回も出場しながら、一度も勝利できなかったキャラクターをご存じだろうか。
おおよそ予想がついたのではないだろうか。
そう。予想通りだと思うが、ヤムチャである。
ヤムチャは予選では順調に勝ち進み、本戦に進む。しかし、本戦になると1回戦を突破できない。要は一度も勝ったことがないのだ。その戦績を見てみよう。1回目はジャッキー・チュン、2回目は天津飯、3回目はシェン(神様)に敗れてしまった。
なお、ヤムチャの貴重な勝利の場面がみられるのが、占いババの館で行われた戦いである。透明人間のスケさんに勝利を収めた。しかし、これもヤムチャが単独で勝利したわけではなく、亀仙人とクリリン、そしてブルマの手助けによって勝つことができたもので、ヤムチャの実力で勝った……と言っていいのだろうか。
ヤムチャは亀仙人、神様、そして界王さまのもとで修行をするものの、実戦ではその能力を100%発揮する場面に恵まれなかった。かくして、セルとの闘いが終わった後は武道家を引退してしまい、その後は天下一武道会に「出ても恥をかくだけ」と言って出場しなかった。
ところで、ヤムチャは栽培マンに敗れた姿があまりに印象的なせいか、とにかく「弱い」キャラというイメージがついている。しかし、天下一武道会で戦った相手を見てほしい。ジャッキー・チュン、天津飯、そして神様なのである。いずれも強敵揃いではないか。ジャッキー・チュンと天津飯にいたっては、決勝で孫悟空が戦う相手だ。
そう、ヤムチャは悲しいことにクジ運がとんでもなく悪く、初戦でいつも強敵にばかり当たってしまうのである。ほかの相手なら勝てたのではないかと思うことも少なくない。ヤムチャは『ドラゴンボール』でもっとも運が悪い、というより悪すぎる悲運のキャラといえるのかもしれない。