『シティーハンター』劇場版のタイトル「エンジェルダスト」に胸が高鳴る理由 槇村秀幸の死の核心がようやくわかる?

シティーハンター「エンジェルダスト」の意味

※本稿は原作『シティーハンター』(北条司)のネタバレを含みます。

 制作が発表されていた『シティーハンター』劇場版最新作のタイトルが『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』に決定した。公開は、2023年秋。2024年にはNetflixで実写映画の配信も予定されており、ファンにとって楽しみな映像作品が続く。

「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」特報 | 2023年秋公開

 『エンジェルダスト』の内容について、劇場版公式サイトでは「前作に続き現代の東京を舞台にそのストーリーは冴羽獠の過去、そしてパートナーであった槇村秀幸の死の核心に迫っていく」とされている。原作ファンにとって、この内容で「エンジェルダスト」というタイトルは、納得感と期待感が高まるところだ。

 「エンジェルダスト」は、『シティーハンター』に登場するドラッグの名称。弾丸にも打ち勝つ強靭な筋力をもたらすもので、アメリカを牛耳る麻薬組織であり、作中でも屈指の強敵として描かれた「ユニオンテオーペ」が日本進出を目指し、その足掛かりとして新宿に広めようとしていた。結果として、シティーハンター・冴羽獠はその目論見を打ち砕いているが、同時に、誰よりも信頼のおけるパートナーだった槇村秀幸の命が奪われている(※アニメ版では「赤いペガサス」という組織に変更)。

 念のため詳細なネタバレは控えるが、ユニオンテオーペは「冴羽獠の過去」とも深くかかわっており、また結果として、獠にとって最愛のパートナーである槇村香との関係性すら、義兄の秀幸の命を奪うことで形作った存在ともいえる。「エンジェルダスト」をめぐるエピソードは、『シティーハンター』のシリアスな側面が集約されたものだと考えることもでき、劇場版のタイトルにこれほど相応しいものはないかもしれない。

 ちなみに槇村秀幸は基本的に過去の人物であり、登場機会こそ限定的なものの、いまも高い人気を誇るキャラクターだ。獠の親友&パートナーであり、香を育てた最愛の家族であり、刑事時代は野上冴子の相棒でもあって、主要キャラクターたちとの深い関係性があることもその理由だが、何より“『シティーハンター』の良心”ともいうべき正義感と優しさ、あたたかさが印象に残る。今回の劇場版で、彼をめぐる新しいエピソードが描かれることに期待したいところだ。

※トップ画像は特報動画サムネイルより。
©北条司/コアミックス・「2023 劇場版シティーハンター」製作委員会

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