写真家・土門拳『古寺巡礼』刊行60年 美しい日本の仏像を捉えた名作120点を東京都写真美術館で展示

土門拳『古寺巡礼』刊行60年の展覧会

 ドキュメント、人物、古美術、建築、風景、そのいずれにも忘れがたい作品を残し、日本の写真史に巨歩を記した土門拳。ライフワーク『古寺巡礼』の第一集が刊行されたのは1963年、今年で60年を迎える。

 2023年3月18日より「土門拳の古寺巡礼」が東京都写真美術館で開催。本展はカラーの代表作と、土門を魅了した室生寺の弥勒仏坐像をはじめ、重量感のある平安初期の木彫仏を中心にモノクロームの仏像写真と、合わせて約120点を展観する。

 戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫いた。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。

 土門が対象の本質に迫った、力強く個性的な「日本の美」を感じよう。

【プロフィール】

土門 拳(どもん・けん)
1909年、山形県酒田市生まれ。1935年、日本のグラフ・ジャーナリズムを切り拓いた「日本工房」に入って以来、脳血栓で倒れる1979年までの足かけ45年にわたり、「報道写真家」として激動の日本を記録。『文楽』『ヒロシマ』『筑豊のこどもたち』『風貌』『古寺巡礼』など、不朽の名作を数多く残す。1939年、室生寺を訪れて以来、戦中も全国を巡り仏像を撮影。1960年、脳出血で倒れて35ミリカメラの操作が困難となり、大型カメラで『古寺巡礼』(全5集)の撮影に取り組んだ。

【展示内容】

写真作品:約120点(カラー/モノクローム)
その他関連資料、撮影機材、映像の展示を予定している

【開催概要】

タイトル:「土門拳の古寺巡礼」
期間:2023年3月18日(土)~5月14日(日)
会場:東京都写真美術館  地下1階展示室(恵比寿ガーデンプレイス内)
開館時間:10時~18時(木・金曜日は20時まで) ※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし、5/1は開館)
主催:クレヴィス
共催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
協力:公益財団法人さかた文化財団 土門拳記念館
料金:一般 1,100(880)円/学生・65歳以上 900(720)円/中高生 700(560)円
※( )は当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金。各種割引の詳細は東京都写真美術館ホームページのご利用案内をご参照ください。
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料。
※各種割引の併用はできません。
※本展はオンラインによる日時指定予約を推奨いたします。
※事業は諸般の事情により変更することがございます。
※会場混雑時にはご入場をお待ちいただく場合がございます。予めご了承ください。

【本展関連書籍】

『土門拳の古寺巡礼』
古寺を巡るきっかけとなった戦前の室生寺作品から、車椅子になっても撮りつづけた『古寺巡礼』まで、代表作を新たに編集し、写真171点と名エッセイを併催。
B5判変型/上製本/200頁  定価:2,640円(本体2,400円)クレヴィス刊

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