『東京卍リベンジャーズ』次号・最終回に向けた性急な展開に賛否 “ハッピーエンド”か“走馬灯”か、結末はどうなる
11月16日発売の「週刊少年マガジン」で幕を閉じることが発表されている、人気漫画『東京卍リベンジャーズ』。本日9日発売の同誌2022年50号では、前週から続く急展開が加速し、SNS上で関連のキーワードがトレンドになるなど、議論を呼んでいる。
最新話について細かなネタバレは控えるが、あらゆることが劇的&スピーディにいい方向に進み、続く最終回も希望に満ちたものになることが予測される内容だった。これを受けて、『東リベ』も打ち切り漫画にありがちな”高速伏線回収”に入り、消化不良を残す終わり方になるのではと懸念する、ファンの声も一部で聞かれている。
合わせて、打ち切りに際して、多くの伏線を無理やり回収する漫画をパロディとして描いた「ソードマスターヤマト」(『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和』より)がTwitterでトレンド入りしている状況だ。同じく「週刊少年マガジン」で連載され、10月26日発売号で最終回を迎えた人気野球漫画『ダイヤのA actII』も同様に、“打ち切り感”のあるエンディングが議論を呼んだ経緯もあり、しばらく収拾がつきそうにない。
もっとも、これだけの人気作が本当に“打ち切り”のはずがなく、作者の和久井健は何話でも、何年でも、描きたいことは端折らずに描き続けられただろう。もし、このまま『東リベ』がハッピーエンドを迎えるとしたら、武道の「リベンジ」がどこで達成されたか、ということを考える必要がありそうだ。
つまり、現在描かれているのは、“その後”の彼らの幸福な姿を見せる、ある種のファンサービスであり、時間を超えて少年漫画史に残る奮闘を見せた主人公・花垣武道へのご褒美とも受け取れるかもしれない。多数の人気キャラクターを抱える本作のこと、曖昧なエンディングにして続編やスピンオフに伏線をつなぐこともできたなかで、潔さを感じる展開だ。
もちろん、最終回が完全なハッピーエンドになるかは、まだわからない。ここにきてのスピーディな展開は「走馬灯」的でもあり、武道の願いを描写しているようにも思える。『新宿スワン』の最終回が、切なくも希望の残るエンディングだったことを考えると、少なくとも後味の悪いものにはならないのではないか、と予想できる。
いずれにしても、2017年3月の連載開始から現在まで、多くのファンを楽しませてきた『東京卍リベンジャーズ』は、11月16日に幕を閉じる。次週の「週刊少年マガジン」を楽しみに待ちたい。